小学生のころ、予防接種をした後に、「お風呂に入ってはいけませんよ」といわれた経験があると思います。大人になっても、海外旅行の前にコレラの予防接種を受けたときなどしっかり念を押されます。では、言いつけにそむいて入浴したならどうなるのでしょうか?
気になるところであるが、これは現実に、かなりの危険行為といえるのです。さて、この予防接種の中身、ワクチンとは、病原微生物の毒性を弱めたものです。これを人体に接種すると、その毒素に対する抵抗力が体の中にできます。これを「免疫」といいます。
一度この免疫が完成すれば、その後同じ病原体による感染が起こったときも発病しない。あるい収発病しても軽くてすむのです。この原理を応用したのが予防接種です。ちなみに「予防注射」という言葉もよく耳にすると思いますが、これは予防接種を皮下注射するやり方。ほかにも「ハンコ注射」などといわれているBCGなどがあります。
つまり、一時的でわずかではあっても、当の病原そのものを体内に入れるのだから、発熱や吐き気、悪寒など軽いショック症状を起こす場合も現実に多く、接種時には十分な健康管理が必要なのです。ただでさえそんな状況で、もし入浴して血行♯がよくなったり、急激な温度変化にさらされたりすると、免疫ができ上がる前に、その病原体が本来の毒性に近い力をとりもどし、計算外の悪さをする可能性があるのです。
予防接種した日は入浴しない、というのは、こうした理由からくる「予防のためのまた予防」の端的な一例なのです。だから、よくよく記憶を掘り返してみると「今日明日は、おとなしくしているように(安静にしているように)」なんてこともいわれていたはずです。
また、そうしたことから、予防接種ではない通常の治療のための注射によっては、「入浴してもかまいません」といわれるケースもあります。しかし、こうした場合も、素人判断は禁物。やはり注射の種類にもよるし、ただでさえ病気によって体力や抵抗力が弱っている状況が多い。お医者さんによく確認することが大切です。
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