病気にならないために受けるのが本来の予防接種の役目です。しかし、それで逆に病気になってしまうこともあるのです。
その実例です。前述のとおり予防接種とは、病原になる微生物、あるいはそれがつくる毒素に種々の処置を加え、毒性を弱くしたもの(ワクチン)を人体に接種することで抵抗力(免疫) をつくる方法です。はじまりは18世紀末、あえて自分の子供を実験に使った逸話で有名なジエンナーの発明です。
以来、現在でも結核、ジフテリア、風疹などさまざまな予防接種が行われ、効果を発揮しています。しかし、その有効性と引き換えに、発熱や吐き気、悪寒など軽いショック症状を起こす場合があるなど、やはりそのリスクを100% ぬぐいさることはできないでいます。
さて、そこで特に最近問題になったのが「第三種混合ワクチン」と称されるものです。これまでにもジフテリア・破傷風・百日咳をいっしょにしたDPT 三種混合ワクチンや、腸チフス・パラチフスの2 種混合まなど、使用しやすいようにつくられた混合薬剤があったが、麻疹(はしか)、風疹(みっかばしか)、流行性耳下腺炎(おたふく風邪) のワクチンを混ぜた第三種混合(MMRという) は、これらに次ぐ効果的なワクチンとして注目されていました。
かし、MMR が導入されてまもなく、髄膜炎という病気になった患者が発見されたため、平成5年には厚生省から各都道府県に対し、事実上使用見合わせの通知が出されたのです。
3 つの病気の種類を見ても、MMR が実用性が高そうなことしろうとは、素人でもわかります。しかし、打ってみないとホントのところはわからないのが、新型ワクチンの弱みなのです。
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