胃のレントゲンを撮るときに飲まされるバリウム。まだ未体験の人もいるでしょうが、健康診断、人間ドックをはじめとして、これからも飲む機会がありそうな、胃の検査の必須アイテムでです。
ところで、「あの白いドロドロの液が誤って肺に入ると死ぬ」という、ちょっとおっかない噂を耳にしたことはないでしょうか?
ホントのところどうなのか、気になるところです。答えを先にいってしまえば、たしかに肺に入ってしまえば死ぬでしょう。
現に、毎年数人がバリウムの誤囁(あやまって食道に入るべきものが気管の方に入ってしまうこと) によって亡くなっている人はいます。そもそも、胃や腸など、袋状や管状になっている内臓は胸のレントゲンのような方法(単純X線撮影) では造影(画像として見える状態にすること) できません。
そこで、 線を通さないないこうバリウムを飲んだり、直接注入したりして影をつくり、内腔を撮影する、という方法をとるわけです。
ところが、このバリウム、水分が失われてくると固まる。まともに食道を通って胃に収まってくれればいいが、もし途中でむせたりして気管に入ってしまったりすると危険です。バリウムは気管支を通り、肺の内部で固まって窒息死、あるいは囁下性肺炎などをひき起こすということになります。
しかし現実は、よほどの量が入らない限りは大丈夫。少量入りかけたぐらいなら、ふつうはせき込んでいるうち、肺に達する前にもとの食道の入口に戻るのでご安心ください。また、亡くなる人がでるのは確かですが、その中心は体力がグッと低下したお年寄りです。
というのも、お年寄りというのは、囁下したり、せき込んだりする力が衰えているケースが多く、こうした〝間違い″ が起きやすいことが背景にあります。
ただし、若い人でも基本的には同じなので、注意するにこしたことはありません。ちなみに、検査後に下剤を飲まされるのも、腸の中でバリウはいせつムが固まってしまう前に排泄してしまおうという理由からです。便秘がちな人には、下剤に加えて水分を多めにとることをすすめられます。
下剤でもでない人はイサゴールがおすすめ!
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