深い呼吸

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「生きる」という言葉は「息する」に由来するという話がある。本当かどうかはわからないが、生きている限り私たちが息をしているのは確かだ。そして死ぬときは「息を引き取る」。呼吸はそれほどに、昔から生命活動の象徴だったのだろう。痛気で息が苦しい人に深い呼吸のやり方を指導する仕事だが、「最近は病気でもないのに呼吸が浅い人が急増しています。
呼吸法を変えるだけで不快な症状がなくなったりすることも珍しくありません。
そもそも「深い呼吸」ってどんな状態を言うのでしょうか?
呼吸は、体に酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出す作業。やっているのは肺。肺の内部は無数の小さな袋(肺胞)に分かれていて、スポンジのような構造だという。息を吸うと、肺全体が膨らんで肺胞に空気が入り、酸素を取り入れる。吐くときは肺が縮んで肺胞から二酸化炭素をはき出す。ではどは肺はどうやって伸縮するのでしょうか?
心臓や胃腸のように筋肉でつくられた内臓なら自力で動けるがスポンジ状の肺には筋肉がない。伸縮させるのは周囲の筋肉となる。

横隔膜がしっかり働くのが、深い呼吸の条件です。横隔膜は、胴体内部を横断する膜状の筋肉。ちょうど竹の節のように、胸とお腹の境界線で「仕切り」になっている。すぐ上に肺が接していて、この筋肉が注射器のシリンダーのように上下に動くことで肺を伸縮させる。呼吸に必要な動力の7剖は横隔膜が担うというから、文字通り「縁の下の力持ち」。

でも「上下に動く」なんてどうやるのだろう。カギは横隔膜の形。リラックスしているときの横隔膜は、筋肉がストレッチされてドーム状に盛り上がっている。肺はドームに押されて上に縮む。これが息を吐いた状態。ここから収縮すると、脱がぴんと張られてドームが平らになる。すると肺も下に引き伸ばされ、息が吸いこまれる。なるほど〜巧妙なしくみだ。横隔膜がしっかり動けば、肺の底面は5〜10Ⅷも上下するという。「呼吸の浅い人は間違いなく、横隔膜の動きが悪いですね」。胸やお腹が力んでいたり、姿勢が悪いと、横隔膜の力が抜けず、きれいなドームにならないという。すると収縮するときも力がうまく人らない。結果として肺の伸縮が中途半端で、空気の出入りが悪いというわけ。柿崎さんによると、横隔膜がドーム状に盛り上がるときは、内臓のサポートが大切なのだという。

息を吐くときにお腹の腹横筋が縮んで下から内臓を持ち上げるから、横隔膜が押されて盛り上がるのだ。吸うときは逆に、横隔膜が内臓を上から抑える。これによって、横隔膜の動きと一緒に、内臓全体もゆったりと揺り動かされる。深い呼吸は内臓のマッサージなのだ。これでお腹の血流が良くなり、冷えや便秘なども防げるというわけ。そのためには、腹横筋が収縮するときに横隔膜がリラックスする必要があります。本来、体はそういう筋肉の連動を自然にやっているのです。