疲れ目・ドライアイを知る

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
疲れ目には2つのタイプが
医学的には「眼精疲労」と呼ばれる、疲れ目が引き起こされるしくみは、大きく2つのタイプに分けられます。
まず、ひとつは「筋肉疲労タイプ」。物を見るときに、ピントを合わせる機能をコントロールしている「毛様体筋」と呼ばれる部分がいわゆる筋肉疲労を起こすことが原因です。
目が重く感じられたり、視力が低下したり、目の臭が痛んだりといった症状が起こります。
そして、もうひとつは、最近とくに急増している「ドライアイタイプ」。空気の乾燥したオフィスなどで、パソコンのモニターを凝視して作業することで、涙の分泌量が極端に減るなどして、目の乾きや、かすみなどの症状を引き起こします。ただし疲れ目は、どちらかのタイプにはっきり分かれるというよりも、両方をあわせ持つケースが多いよう。そのため、どちらのタイプの対策も必要となってきます。

目のうるおいが減って乾くドライアイタイプ
目が乾く、目がショポショポする、逆に涙が止まらないなどの症状を感じるときは、ドライアイの可能性が大。乾燥した室内で、パソコンや携帯電話の画面を凝視していると、まばたきの画数が減り、目の表面を守う「涙」が充分に行き渡らなくなってしまいます。
涙が減ると、日の表面が乾燥して、角膜が傷つきやすい状態に。角膜が傷つくと異物感や視力低下などの幕影響があらわれます。目をおおう涙の掛ま「油層」「水屑」「ムチン層」の3 つの届からなり、つねに表面をうるおし、日を守ってくれていますが、角膜が傷つくと、この3 膚のバランスも乱れるため、涙の蒸発量がいっそう増え、さらに目が乾きやすくなってしまうのです。また、涙の丑が減ると、杉花粉などのアレルゲンがいつまでも眼球の上にとどまることになるので、ドライアイの人iまアレルギーの症状も悪化しやすくなります。

ピント合わせの筋肉が疲れている疲労タイプ
物を見るときは、日の中の「水晶体」というカメラのレンズにあたる部分の厚みを増減させて、ピントを合わせています。この水晶体を支え、その厚さをコントロールしているのが、「毛様体筋」という筋肉です。この筋肉は、近くを見るときには緊張し、遠くを見るときには地積するしくみになっています。パソコンや携帯電話の画面など近くを長時間見つづけると、毛様体筋がずっと緊張している状態に。これを腕に例えれば、力こぶをずっと作りつづけているようなものです。こうした緊張状態が続くと、その状態で筋肉がこり固まってしまいます。
その結果、「目が重い」「目の奥が痛い」といった症状があらわれ、筋肉が弛凄しにくくなって遠くが見えずらくなり、近視がすすんでしまった錯覚に陥ります。

涙は目を潤すためだけではない
涙は上まぶたの外側奥にある「主涙腺」という場所で作られ、目の表面を潤した後、およそ10%が蒸発し、残った涙は目の内側にある「涙点」へ。そこから鼻腔へと流れます。
涙は目が正常に働くために不可欠な存在で、ごみやほこりを洗い流し、傷つきやすい目をばい菌や異物から保護しています。
目をばい菌や異物から保護しています。
また、血管のない角膜(黒目)へ酸素や栄養を運搬する大切な役目を果たしています。

疲れ目を起こす7つの原因
  • 近くを見る

    パソコン、携帯、スマホなどの機器は近い距離をずっと見続けるためピントを調整している「毛様体筋」が緊張状態に。「筋肉疲労」タイプの疲れ目あg起こりやすくなります。
  • 暗いところでモノを見る

    暗いところで本を読んだりすると、読みにくさから、毛様体筋の緊張が続いて「筋肉疲労タイプ」の疲れ目が起こります。また、凝視することで、まばたきの回数も減り、目の乾きから「ドライアイタイプ」の疲れ目も引き起こします。
  • 乾燥した空気

    空調のきいたオフィスなど、空気が乾燥したところや、エアコンの風が直接目に当たるような場所でパソコン作業などをしていると、目の表面から涙が蒸発しやすくなるため、「ドライアイタイプ」の疲れ目を感じやすくなります。
  • 長時間のコンタクトレンズ装用

    目の表面には、まばたきによって、つねに新鮮な涙が供給されています。でも、コンタクトレンズを使用しているときは、角膜にふたをした状態になるため、涙の供給量はずっと減ったまま。その結果、目の表面に充分な涙が行き渡らなくなり、「 ドライアイタイプ」の疲れ目が起こりやすくなります。
  • 視力に合わないコンタクトレンズやめがね

    かなり遠くまではっきり見えるメガネやコンタクトレンズを使って、パソコン作業など、近くのものを見る作業をすると、毛様体筋がさらに緊張を強いられるため「筋肉疲労タイプ」の疲れ目が起こりやすくなります。反対に、度が弱すぎるときも、見えにくさから凝視することにつながり、まばたきの回数が減って「ドライアイタイプ」の疲れ目に。
  • ストレス

  • ストレスを感じると体は緊張することから、まばたきの回数も減るため、目が乾燥して「ドライアイタイプ」の疲れ目も起こりやすくなります。また、パソコンを使った細かい仕事や、長時間の車の運転など、ストレスとともに目を酷使する作業は、毛様体筋の緊張状態が高まり、「筋肉疲労タイプ」の疲れ目に。
  • 睡眠不足

    睡眠不足の人は、目を閉じて目を休ませる時間が短くなり、目が乾きやすい状態をまねきます。それとともに、目の表面を守る涙の質や生も低下するため、「筋肉疲労タイプ」や「ドライアイタイプ」の疲れ目に。
セルフケア

目を休める
「筋肉疲労タイプ」の疲れ目の症状をやわらげるには、意識して目を休ませることが大切。
パソコンで作業をするときは、1時間に10分程度の休憩をとるのが理想的です。10分まるまる休むことができなければ、1分ずつでもこまめに目を休ませることが大切。ただし気分転換にと、休憩時聞に携帯メールなどをチェックするのはNG。窓の外の空や雲など、できるだけ遠くにある自然の景色を見るようにして、毛様体筋の緊張を績めましょう。「オフィスの周囲からはビルしか見えない」という人は目を閉じるだけでも効果的。休憩が手まめにとれないときも、せめてお昼休みだけは、目を休まるように。


目を温める

「ドライアイタイプ」の疲れ目には、目のまわりの血液循環をスムーズにすることも必要です。目を温めて、血液循環がよくなると、涙に必要な油分の供給が安定します。
油分の供給が安定することは、油分の質の改善にもつながるので、結果的に涙の質がアップするのです。そこでおすすめなのが、入浴中のホットタオルアイマスク。浴槽につかっているときに、お湯に浸して絞ったハンドタオルで5分ほど目を温めてみて。さめたら再びタオルをお湯に浸して40度くらいをキープ。また、市販の疲れ目用ホットパックを利用してもいいでしょう。

パソコンの環境を整える

長時間のパソコン作業は、「ドライアイタイプ」「筋肉疲労タイプ」両方の疲れ目を引き起こします。症状がひどくならないように、パソコン環境をもう一度チェックしてみましょう。
モニター画面までの距離は、50~80cmが最適。モニター画面を見上げるような角度だと、目を大きく見開くことになり、表面が乾きやすいので、約10~20度下を見る姿勢になるように、画面や椅子の高さを調整します。また、モニター画面の文字が小さいと、画面を凝視することにつながるので、フォントは大きめに設定して。また、モニター画面に直射日光や照明が映り込むと、目に余計な負担がかかるので、画面の位置や角度も調整しましょう。
詳しくはこちら

目にいい栄養を積極的に摂る

まずは、ルテイン。ほうれん草に豊富な栄養素でブロッコリー、レタス、グリーンピース、とうもろこしなに多く含まれます。
次は、βカロテン。モロヘイヤ、にんじん、春菊、ほうれん草、かぼちゃなどにも多く含まれます。脂溶性のビタミンで炒め物など油と一緒に調理すると吸収率がアップします。
次は、レチノール。鶏レバー、豚レバー、うなぎ、銀ダラ、ナチュラルチーズ、ゆで卵などに多く含まれます。
コレステロールやカロリーが高いので注意します。


関連ページ