食物依存性運動誘発アナフィラキシー

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特定の食物を食べた後に運動をするとアナフィラキシーが誘発される病気で、食物摂取だけ、あるいは運動だけでは症状はおきません。

運動時に食物抗原が腸管から吸収される量が急増して発症しますが、毎回発症するわけではなく、発症の予測ができません

10~20 歳代に発症のピークがありますが、中年以降にも発症します0原因食物は、小麦とエビ・カニが大半を占めています。 カゼ薬や痛み止めを飲んでいると、誘発される確率が格段に高くなります。
深刻な症状が出やすいために原因の確定は必要であり、専門的な医療機関で誘発試験などを実施します。生活上の注意として、
  1. 運動前には原因食物を摂取しない
  2. 原因食物を食べたら最低2 時間(人によっては4時間) は運動をしない
  3. 症状が出たらすぐに運動をやめ安静にし、抗アレルギー薬を服用する
  4. 鎮痛解熱剤を飲んだら、その日は原因食物の摂取を完全に避ける
  5.  
  6. などが必要になります。
2009年頃から小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)の患者さんの受診が急増し、それまでの年間発生頻度の数倍になっていました。共通点として、眼のかゆみ、鼻汁、顔のかゆみ・腫れからはじまる症状が目立ち、ほとんどが成人女性で、問題の石鹸を継続的に使用していました。

専門家の調査により、この石鹸に含まれていた特殊な加水分解コムギの成分が眼や鼻、顔の皮膚から侵入したために、加水分解コムギにアレルギーになっていたことがわかりました。

発症した人は、食事で普通の小麦製品を食べて運動をすると、上記の症状のほか、腹痛・下痢、血圧低下、呼吸困難などアナフィラキシーの症状をおこしました。人によっては、運動なしで小麦を食べただけでも重い症状が出ました。全国的な注意喚起がなされた後、加水分解コムギを含む製品の使用をやめ、小麦の摂取を控えるなどしてからは、症状が出にくくなっています。

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