夏パテ解消の特効薬として、土用の丑の日にウナギが食べられるようになったのは江戸時代からで、最初に「土用の丑の日はうなぎ」と言い出したのは平賀源内といわれています。
平賀源内といえば、エレキテルや寒暖計を作ったことで知られている科学者ですので、「土用の丑の日はうなぎ」にも科学的な根拠がありそうですが、実はそうではありません。
平賀源内がそう言ったのは、うなぎ屋さんに「宣伝文句を考えてくれ」と頼まれたからで、栄養学的な裏付けがあるわけではありません。一般に夏パテに効くとされているのは新陳代謝を促し、発汗作用、利尿作用のあるものですが、ウナギにはそのような効果はありません。
しかし、ウナギがまったく夏パテに効かないかというと、そんなことはありません。栄養学的にウナギをみると、蚤自質、ビタミン、ミネラルが豊富です。
特に肝臓にはビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンA には消化器、呼吸器、目の粘膜を強化する効果があり、胃腸の病気や夜盲症にもよく効きます。
ビタミンA はニンジンなどにも含まれていますが、ウナギに含まれているビタミンA のほうが吸収がいいことがわかっています。また、ウナギの表面はヌルヌルしていますが、これはムコプロティンという蛋白質で、胃腸の粘膜を保護し、消化吸収を助ける働きがあります。
このようにウナギには消化を助ける成分が含まれています。夏パテの最大の原因は食欲不振です。消化機能の働きをよくするウナギは、夏にもってこいの食材といえます。
ウナギを食べたからといって、すぐに疲労が回復するわけではありませんが、夏パテにならない身体づくりに役立つのはたしかです。ちなみに、ウナギというと日本の伝統的な食材と思われていますが、これは誤解でかばやす。中国でもヨーロッパでも苦からウナギは食べられています。ただし、蒲焼きにして食べるのは、日本だけのようです。
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