ホームレスにはげはいないがヒント

私の医院のある大日本橋では、ホームレスの人々を多数見かけます。ここで私は、ホームレスの人たちには、ハゲや薄毛の人がかなり少ないという事実を発見しました。

興味を抱いた私は、実際にホームレスの人々200人の頭髪を実地調査しました。すると、ハゲ・薄毛の人はわずかに14人しかいませんでした。

これは7% の割合です。一方、日本人の成人男性のハゲの率は34% ですから、ホームレスの人たちには、ハゲの人が有意に(明確に)少いのです。

なぜ、こうした大きな差が生じたか、理由を考えてみました。ホームレスの人たちに、ストレスが少ないからでしょうか。しかし、近くで彼らを見ている私は、居場所がなく、過去も現在も未来もない彼らが、ストレスに満ちていることを知っています。

コンビニで見かけることから、食べている物も、私たちとそれほど変わりません。となると、彼らの髪を守っている条件は、1つしか考えられません。

彼らはお金も家もないため、石けんやシャンプーで頭を洗いません。それが彼らにハゲ・薄毛が少ない理由でしょう。また、常時、ヘルメットをかぶっている自衛隊員にハゲが多いことはよく知られています。これらを考えたとき、私には、ハゲの真実が見えてきました。

前頭部や頭頂部の毛を守っているのは、女性ホルモンです。女性ホルモンが有効に働くことで、毛根と皮脂腺の酸化を防止しています。

ところが、ハゲやすい人の女性ホルモンは、ナトリウムイオンで壊れるのです。.ほとんどのシャンプーの界面活性剤には、ナトリウムイオンが含まれています。そのため、シャンプーによってハゲやすい人の女性ホルモンが壊れ、毛根や皮脂腺の酸化が進み、脱毛、薄毛、ハゲという現象が起こるのではないかと考えたのです。

ほかにも、女性ホルモンを破壊する要素としては、紫外線や汗の影響が挙げられます。ヘルメットをかぶり、頭皮に汗をかいている自衛隊員に、ハゲ・薄毛が多いのも、こういう事情からです。

汗に含まれる塩化ナトリウムが、頭部の女性ホルモンを壊しているのです。ただ、同じシャンプーを使ったにしても、ハゲる人とハゲない人がいます。おそらく、これは遺伝的な要素が関係しており、ナトリウムイオンに接触しても、女性ホルモンが壊れにくい人がいるのでしょう。

私は、こうした考え方に基づき、脱毛、薄毛、ハゲなどの防止に役立ち、育毛も促すシャンプーを開発しました。これらの製品には、女性ホルようモン様の作用を持つ、プエラリアという植物を配合しています。シャンプーには、ハゲの原因となるナトリウムイオンを使用していない界面活性剤が使われています。

また、有効成分の皮膚への吸収を促すために、フコイダン(海藻の成分)も入れてあります。このシャンプーを、実際に脱毛や薄毛、ハゲに悩む患者さんに使ってもらうと、大きな効果が上がり始めました。使い始めて、1~2日目あたりから、早くも抜け毛がへるなど、目に見えた効果が現れてきたのです。特に女性に、このシャンプーは大きな効果を発揮します。

50代の男性の症例をご紹介しましょう。このかたは、別の病気で来院。頭髪の状態を見て、「髪の毛で悩んでいませんか」と聞くと、案の定、悩んでいますとの答え。

「どうしようもないとあきらめています」と、そのかたは続けました。「あきらめなくてもいいんですよ」というと、その男性は、「治るんですか」と飛びつくように聞いてきました。そこで、このシャンプーを使うよう指導したのです。すると、わずか90日で大きな変化が現れました。

短期間で、髪が大幅にふえたのです。実は、私自身、父親が完全なハゲ頭(サザエさんのお父さんそっくり)で、家系的にハゲることばわかっていました。事実、若いころから、私の髪ははっきりと薄くなりつつありました。

学生時代の友人からは、「山下の頭は絶対40代までもたない」と予測されていたのです。ところが、今も私の髪はりっばに残っていますし、それどころか、このシャンプーを開発する以前の、20年前と比べても、髪は明らかにふえています。同窓会などで旧友と顔を合わせると、「カツラじゃないか? 」と、髪を引っ張られるくらいです。いうまでもなく、その秘密こそ、このシャンプーにほかなりません。

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