銀行内にはどのくらいのキャッシュがある?

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カード社会になれば、キャッシュレス社会になるといわれていたが、どうも日本はなかなかそうはならないらしい。クレジットカードでキャッシング、なんていうのは、まさに時代に逆行しているのだが、まだまだ現金信仰の強い社会である。

そのおかげで、毎月25日の給料日の昼休みともなると、銀行の窓口やキャッシュコーナーは超満員である。最近は機械でおろすことがほとんどだが、いずれにしろ、大量の現金が動くことにかわりはない。銀行にとって、「お金」は商品である。したがって、ほかの業種同様に、その在庫はできるだけ少なくしておくのにこしたことはない。その日に必要な分だけ「仕入れ」ておき、閉店時にはゼロに近い、というのが理想である。ところがやっかいなことに、銀行は商品としての「お金」を出すだけでなく、お客さんからも「仕入れる」立場にもある。そのバランスまで含めて、1日の仕入高を決めなければならない。
その仕事が各支店の出納係の仕事である。金庫があるんだから、大目に入れておけばいいではないか、と思うのは部外者だから。各支店は独立採算制となっているので、自分の店の金庫に眠らせておくよりは、一定の利率をつけて本店に送るなり他店舗に貸し出したほうが、店全体の成績が上がるのだ。足りない時は、その道に借りなければならなので、その額も少ないほうがいい。ようするに、必要にして十分、というギリギリの現金しかない、というのが理想なわけだ。店の規模とか、商店街なのかオフィス街にあるのかとかの立地条件にもよるが、だいたい、その店の預金高のわずか0.5%が、銀行の店内にある現金の額と思えばいいそうだ。

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