陳列方法も購買意欲を駆り立てる

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スーパーには、時々、同じモノがとんでもなくたくさん、ピラミッドのように積まれていることがある。その店が、その商品に力を入れているのだという気迫が客にも伝わってくるが、そのときに、もし完全なピラミッド状だったり、あるいは完全な直方体だったら、はたして手がのびるだろうか。
買っていいものものか、ディスプレイなのか、と迷ってしまうのではないか。うっかり、つかんだら、店員さんに「それは飾りです」と注意されるかもしれないと、結局は見ただけで素通りしてしまいかねない。そういうのは、ヘタな陳列の見本のようなものである。ショーウインドウの中のものなら、たしかに飾りだけれど、店頭にドデーンと置くのなら、まさに売りものでなければ、スペースがもったいない。それが飾りに見えてしまうのは、あまりにキチンと整然と置かれているからだ。売場での正しい商品の並べ方は、ところどころ歯抜けにする、というもの。
そうすると、たしかに〝誰か買っていったんだ″ との印象を客に与えるのである。
一方で、開店間際の場合は、棚もすき間がなく、台の上も整頓されている、という状態のほうがいい。〝ちゃんと商品の補充をしているな″という印象を与え、店のやる気が伝わるのだ。この整然状態を、タイミングを見計らって、歯抜け状態にすることこそが、プロの仕事といえる。ま、本当にお客さんが買って行って歯抜けになるのがベストなのだが。

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