バッタ屋に学ぶより安く仕入れる方法

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:
バブル崩壊の後遺症なのか、ときどき街で「倒産品」と手書きのポスターで書かれ、異常に安い値段で売っている店がある。工場なり、問屋なりが倒産した時に抱えていた在庫を、安く、ほとんどタグ同然の値段で買い取って売っているわけだ。
こういう業者を「バッタ屋」という。倒産したからといって、必ずしも悪い商品とは限らず、なかにはいいものもあるので、お買い得ともいえる。買うほうとしては、どんなルートで仕入れられてこようが、ちゃんとしたものが安く買えるのなら問題はない。とはいえ、そうした倒産品を売っている店そのものが、プレハブ同然のような店舗だったりするし、売り子さんも、ちょっとこわい雰囲気の人だったりするので、何となく買いにくいのも事実。
それに、倒産品なんて、何か他人の不幸につけこんでいるようで、その商品に倒産した会社の人々の怨念がこめられている、なんていう人もいる。しかし、よく考えてみると、倒産品を買うのもまた人助けという要素もなくはないのである。
倒産品を扱う店が、どうやって仕入れてくるかというと、それ専門の業者がいるのだ。そういう業者はどこかの会社が倒産したと知ると飛んで行き、在庫品を買い叩いてくる。しかし、倒産したというのが、一般の新聞に載るのは大会社の倒産だけ。小さな会社の倒産情報をつかむのには、それなりのノウハウがいる。これを知っていれば、個人でも、ちょっとしたまとまった現金があれば、倒産品を仕入れて商売ができるかもしれない。まず、世の中には「倒産情報」を流すことを商売にしている会社があるのだ。いわゆる、興信所がそれ。興信所の本業は、個人の身元調査より、企業そのものの調査である。

資金繰りが厳しそうだとか、不渡りを出したとかの、倒産寸前の会社の情報や、会社更生法の適用を申請し、事実上倒産したところなどの情報をいちはやく有料で提供している興信所がある。その情報を得て、この会社は何をつくっているかを調べて、モノになりそうならば飛んで行き、二束三文で在庫を買い叩いてくればいい。裁判所や税務署もまた、そういう情報源となる。裁判所が破産宣告した企業や、税金が未納で差し押さえられた物件は官報に載る。これも貴重な情報だ。税務署関係では、税関もある。海外から輸入したものの、関税が払えないものは、保税倉庫に保管されるが、それにも期限があり、それを過ぎると没収され、競売にかけられるのだ。火事で倉庫が焼けてしまった場合も、けっこう掘り出し物がある。焼けなくても、消火の際に水びたしになったりで、たいがいのものは商品価値を失ってしまうのだが、なかには特売品としてなら通用するものもある。倉庫は火災保険に入っているので、火事になってもふところは痛まないので、どうせ処分するからと、そういうものは捨て値で譲ってくれる。このようにして仕入れてくるわけで、捨てられてしまうものを商品にしたり、1円でも現金にしたい会社の売上になるのだから世のためになっているのである。

関連記事