薬屋の本質

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商店街のなかで、どことなく暗いイメージの店のひとつが、薬屋さん。売っているものは、白っぽいパッケージのものが多くて明るいはずなのに、なぜか暗い。それは、まず店のつくりに問題がある。
たいがいは、ドアが閉まっていて、開けるとカウンターのような陳列ケースがあって、それと壁の間に店員さんがいる。トイレットペーパーとか、生理用品なら、自分で手にとって「これください」となるけれど、クスリを買おうと思ったら、店員さんにいって取ってもらうしかない。

そのとき、自分でどのクスリか決めていて、その名前をいっても、「それよりも、こっちのほうがいいですよ」と別のをすすめる店も多い。
「あんな、コマーシャルばかりやっているクスリは、ききません」とかいうガンコオヤジ風の人がいる店もある。じつは、昔は薬屋というのは、健康相談所の役割もはたしていたので、お客さんは病状を訴えるだけで、どのクスリにするかは店の人が選ぶ、というものだったのだ。


したがって、ひやかしの客など、絶対に入れない雰囲気があったのだ。その伝統を今もひきずっているので、どことなく入りづらい、入ってもなかなか買いものがしにくい店づくりになっている。それでも最近の大手チェーン店のなかには、ガラスの陳列棚の中にクスリをしまっておくのではなく、すべてお客さんが自分で選んで、レジに持っていくようにしている店もある。これだと、ひやかしの客でも入っていけ、別に必要のないものま、ついでに買ってしまったりする。


こうした店の存在は、ますます製薬会社の宣伝合戦を助長させる。まさに、コマーシャルのよしあしで、風邪薬が売れるようになってきたのだ。当然、売り上げは伸ばしているのだが、苦からの薬屋さんは、あんなのは薬屋ではない、と批判的なのである。そういう頭の古い人につけるクスリはないようだ。

通販、薬局、ドラッグストアーで購入できる薬

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