宝くじが当たらない仕組み

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「買わなければ絶対当たらない!」「いつ買うの?」「今でしょう?」どっかの芸人がやりそうなネタだが、実は宝くじが当たる確率は悲しいほど低い。
かりに今、ここに1億円の現金があるので、それで年末ジャンボ宝くじを1億円分買えば、1億円以上になる可能性が高い、と考えている人がいたら、やめたほうがいい。たしかに、1等が当たる確率が高くはなるが、絶対ではない。
それならば、ここに10億円あるので、来週に売り出される宝くじをすべて買い占める、というのはどうか。きっと10億円以上になるだろう、なんて思っていたら、大ハズレ。

戻ってくるのは、その半分にも満たない額のはず。
宝くじもまた、ほかの全てのギャンプル同様に、胴元がいちばん儲かるようにできている。この場合の胴元は東京都をはじめとする地方自治体である。宝くじは「東京都宝くじ」とか、「全国宝くじ」とあるように、地方自治体が発行していて、その収益は自治体の会計に入る。
宝くじの裏には、そのくじが何枚発行され、1等は何本で、2等は何本で、と印刷されているはずなので、その合計を出してみるとすぐに分かるが、当選金にまわるのは、全売り上げに対して、なんと45%以下。
では、残りの5%全てが自治体に行くのかというと、そうではない。まず、第一勧業銀行など、くじ売場が手数料として9%をもらう。さらに、くじそのものの印刷費などのコストや、宣伝費がかかるので、自治体に入るのは40%くらい。東京都が毎週売り出している100円で50万円が129本当たるものだと、その売り出し枚数は、430万枚というから、4億3000万円の売り上げで、その4割だと、1億7200万円が都に入る。4億3000万円出して全て買い占めても、賞金総額は1億8490万円だから大損だ。

その他、200万円当たるものとか、年末ジャンボなどもあるので、東京都の場合、100億円以上が毎年入って来る。新宿の新しい都庁ができたとき、税金の無駄遣いだ、と批判されたが、鈴木都知事が「税金は使っていない。宝くじの収益で建てた」と反論したのは本当のことなのだ。年末ジャンボの1億数千万円では都内には土地つきの家など建てられないのに、その胴元の東京都は豪華な都庁を建てたわけで、ギャンプルは胴元がいちばん儲けていることの象徴があの新宿の奇妙な高層ビルなのである。ちなみに、競馬は払戻金に回るのが売り上げの775%だから、こちらのほうが宝くじよりずっと全体の確率はいいことになる。

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