賞をとった車がいいのか?

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ひと昔前までは、大晦日はほとんどの家庭がレコード大賞と紅白歌合戦を見て、家族そろって年を越したものだった。それが最近はどちらも視聴率がふるわないようだが、特にひどいのがレコード大賞である。
誰も去年は誰がとったのか覚えていないほど、無関心になってしまった。何とかしようというわけで、1994年 はそれまでの慣例をやぶり、当日の受賞式に欠席したミスチル に大賞を与えたりして、盛り返しに必死のようだ。
昔は賞をとればレコードも売れたし、地方公演でのギャラも上がるという効果もあったようだが、CDの売り上げに関していえば、レコード大賞をとろうがとるまいが、ユーミンやサザンのが売れるようにほとんど効果はないといえる。

では、音楽以外の分野ではどうなのか。高額商品ゆえに、買う時にはいろいろと情報を集めてから選ぶもののひとつが、クルマ。安いといっても、100万円前後はかかるのだから、ユーザーとしても慎重になる。そんなところに「このクルマは今年のカー・オブ・ザ・イヤー賞をとりました」とセールスマンにいわれると、そりやすごい、いいクルマなんだ、と思ってしまう人もいるのでは。実はこのクルマの賞は、ふたつある。ひとつは、日本カー・オブ・ザ・イヤー賞といって、自動車雑誌を出している出版社が中心になったもので、自動車評論家が決めている。ところが、審査員への接待などが問題となり、一部の委員たちが独立して、カー・オブ・ザ・イヤー賞というのを別につくってしまった。よく似た名前だが、別のものだ。賞をめぐる、そうした審書貝への接待はほかの業界の賞も似たようなものだろう。
もともと国などの公的機関が主催しているわけでもないなら、いくらもらおうと汚職にもならないから、マスコミが注目するようなよほど大きな賞でなければ問題にもならない。そんなわけで、いろいろな業界の賞があるが、たいがいは去年はA社だったので、今年はB社、といった具合に持ち回りで決めるか、接待合戦で勝利したメーカーが受賞するというのが通り相場らしい。そんな賞の権威は信じないで、自分の目でしっかりと選んだほうがいい。特に車などは試乗して購入を決めるといいという。

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