デパートはトイレがみつかりにくい

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たとえば、よく行く店や食堂がかなり気に入ってもトイレが汚いとほぼ100%次は行かない。たとえ、古くてもキレイにしてあれば次も必ず行く。そのくらい、トイレはお店やレストランのリピーターになる際に重要項目となる。

トイレは、もともと不潔な場所というイメージが強いからこそ、逆に清潔さが求められるのだと思う。駅のトイレも、だいぶきれいにはなってきたが、できるだけ利用しないようにしている。
それでは街で急にトイレに行きたくなったら、どうするのか。喫茶店とかに入ったら、何かを頼まなければならないし、店に入るなりトイレに直行、というのも恥ずかしい。そこで、頼みの綱はデパート。
客商売だけあって、トイレはいつも清潔に保たれている。ところが、店内に入り、いざトイレに直行と思ってもなかなか見当らない。普通の家でも、トイレが家の真ん中にある家はそうはないわけで、トイレというものは、本来は目立たない所にある。
デパートでも、基本的には壁側のどこかか、階段のそばにある。美観の問題として、目立つようなドデーンとした場所にはトイレを設置できないからだが、デパートのもうひとつの理由は営業上のもの。お客さんとしてはタダでも、デパートとしてはトイレにもコストがかかっている。水道代だってバカにならないが、もっとかかるのがトイレットペーパーの費用。大きなデパートだと、年間に1千万円近くのトイレットペーパー代がかかっている。それだけの金額を水に流しているのである。当然、元を取らなければならない。トイレが奥のほうにあったり、1階にはなかったりするのは、客をタグでは帰させまいとする、デパートの知恵なのだ。
用をたしてほっとすれば気分も落ち着く。トイレのために入ったデパートだったので、トイレに入るまでは何も目に入らなかったけれど、気持ちが落ち着いてながめると、けっこういいものがあるじゃない、という気分になる。そこで、タグでトイレを借りたといううしろめたさも手伝って、つい、必要でないものまで買ってしまう、となるのをデパートは期待している。そのためには、トイレから出口までの歩行距離が長いほどいい。そういうわけで、トイレは奥のほうにあるのである。

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