ショーウィンドウに飾ってある商品は?

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今日は、なかなかおもしろい話を聞いてしまった。デパートなどのショーウィンドウの飾りなどを行う会社に行っている友人の話。普通は、ショーウィンドウの洋服などを見るとついつい目がいってしまい、「あそこに飾ってある服どこにありますか?」なんて聞いてみると、案外その服は在庫がなかったりする。
店としても売る物ではなく飾りとして置いてあるので、たとえ「あれが欲しい」と客がいっても、別のものをすすめるものなのだそうだ。

業種にもよるが、ブティックなどの洋品店の場合、ウィンドウや、店に入ってすぐの位置、あるいは棚の上の目立つ所に飾ってあるものは、「見せ筋」商品と呼ばれるもので、店としてはそれほど売る気はないものなのだ。目立つだけあって、質もよく、だけど値段も高いのでデザイン的にも目立つ色や柄のものが多いはず。めったに売れるものではなく、店としても人寄せの飾りとして考えている。高いものだから、たしかに売り上げ高は上がるのだが、それが売れてしまうと、そこに飾るものをまた仕入れなければならない。
しかし、はたしてまた売れるかどうか分からない。うれしいには違いないのだが、ちょっと困った事態でもあるのだ。こういった「見せ筋」商品が、店全体の5%前後なのが、理想的な割合だという。
一般に、どの業界にもいえるニッパチの原則というのがある。二割の商品で、全体の八割の売り上げを出し、残りの八割の商品は合計しても全体の二割の売り上げにしかならない、という原則だ。したがって、かしこいお店経営のコツとは、売れる二割をいかにたくさん売るか、ということになる。八割のものは、まさに売れたら儲けもの、という程度に扱えばいい。「見せ筋」の下に並んでいるはずの「売り筋」商品こそ、店が本当に売りたい二割のものなのだ。
これは「売れ筋」とは似て非なるもの。「売れ筋」商品というのは、実際によく売れている人気商品のことで、ただ置いておけば自然に売れてしまうようなもの。だが、必ずしも儲かるとは限らない。値段が安かったり、メーカーとしても売れる商品は強気なので、仕入れ値を下げないことが多い。そこで、店としては利益率も高く、またたくさん仕入れたりしているもので、数も売らなければものを「売り筋」として、「見せ筋」のそばに置いておくなどして、売ろうとする。
お客さんが迷っていると、店員がすすめるのもこの「売り筋」のものになる。この声かけがストレスに思っている消費者は多い。
店側は、よほどでない限り、客に合う服を売るのではなく店型が売りたいもの(都合のいいもの)を売っているのだそうだ。
よほど親しくならないとお買い得品にはありつけないそうだ。

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