胃弱だった私に父が作ってくれたアロエ酒

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まだ私が10代の高校生のころのことです。遠くの学校に電車通学していた私は、毎朝朝食もそこそこに、駅に走り込むせわしない生活で、すっかり胃をこわしてしまいました。四六時中胃が意識され、シクシクと痛みます。そんな状態ですから食も進まず、体がやせて虚弱だったため、父はいつも私の体のことを心配し、そして、胃腸にいいからといって、せっせと私のためにアロエ酒を作ってくれるようになったのです。

漬けるときは、いっしょに手伝いましたから、アロエ酒の作り方はいまでもしっかり覚えています。あのころ容器は1升瓶でした。焼酎1升を2本の瓶に分けて、両方をきれいに洗ってこまかく切ったアロエの生薬をいっぱいまで入れます。そしてよく振ります。甘味料は入れません。2カ月ほど冷暗所におき、葉を取り出したらできあがりです。

これを毎日薬がわりに少量ずつ飲んでいました。 最初は苦くて、水で割ってやっと飲んでいましたが、体調がよくなるにつれ、お風呂上がりに飲むのが楽しみになってきました。慣れてくると、ぐいっと一口に飲んで、そのあとでおちょこに 2〜3杯の水を飲むという一人前の飲み方もできるようになりました。

3カ月ほどたったころから、苦しめられてきた胃の痛みがなくなり、食欲も出て、日々体調がよくなっていくのがわかりました。私が目に見えて元気になっていったので、父はとても喜んで、それからもいつもアロエ酒を切らさないように、作りつづけてくれました。ですから私は、結婚するまでずうっと、毎日欠かさずアロエ酒を健康のために飲みつづけてきたのでした。

結婚後、もう胃が痛むことがなくなっても、父は私のために毎年つくってくれました。 父が亡くなって3年ですが、形見のアロエ酒が今も残っているのです。健康の守り神として大事に飲んでいます。

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