間違った食の常識

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昭和36 年に、「1日1回フライパン運動」が実施されました。この運動の意味がわかりますか? 別名、「油のオリンピック」と言います。
フライパンを使って、油をたくさんとろうという意味だったんですね。油をたくさんとる国は豊かな国で、油の摂取量が少ない国は貧しいんだという考え方です。
この運動が、保健所などを通して推進されました。それから、昭和38八年に、「タンパク質が足りないよ」というコマーシャルが大流行したわけです。
また、「牛乳や卵や肉は完全栄養食品」というすごい言葉もありました。完全栄養食品というのは、他には何も食べなくても、それだけで生きられる食品という意味ですね。卵だけで毎日過ごせるのかと考えたらおかしいわけですが、そういう言葉まで出たほど、肉、卵、牛乳をたくさんとることがいいんだと信じられたわけです。

「タンパク質信仰」が決定的になったのが東京オリンピックですね。昭和39九年、オリンピックをテレビで見ていた当時の人たちは、おにぎりと味噌汁を食べていて体の小さい日本人は、肉などをたくさん食べる外国人にかなわないと思ったんです。柔道でも負けてしまうし、走っても遅いし、飛ぶのもダメだと。唯一頑張っていたのがプロレスの力造山ぐらいで、あとはことごとく外国人に負けてしまうと思ってしまったんですね。オリンピックで負けるのが悪いかどうかは別問題として、タンパク質をとらないと体が大きくて強くならないと思い込んだのです。

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