今から7年ほど前のことですが、当時、精神科の勤務医だった私は、日々の診療のストレスに加え、患者さんを自殺で亡くしたことなどで無気力になっていました。
また、家庭でも妻との関係がうまくいっていない状態だったのです。そんなストレスから逃げようとしたのでしょう、
甘いものを好んで食べるようになり、一方では大量のお酒を飲むようになってしまいました。
食事はスーパーの総菜や菓子パンが中心で、ときには、牛乳を1日に2リットルも飲むなど、無茶苦茶な食生活が続いていたのです。このように過食を続けていれば、当然ながら肥満が進みます。
身長172cmの私ですが、どんどん太っていき、ついには体重が85kgにもなってしまったのです。また、心身も弱り切ってうつ状態になり、精神安定剤を飲んで、なんとかコントロールしていました。数年問、こうした自分のことや食事を省みない生活が続きましたが、あることがきっかけで「私こそ、自分を変えなくては」と思うようになりました。そんなとき、成功哲学の本を読んでいて、食生活が成功の鍵になることを知ったのです。
これがきっかけとなり、私はメンタルヘルスに役立つさまざまな栄養療法を学ぶようになりました。その1つがナチュラルハイジーンという、アメリカの予防医学でした。ナチュラルハイジーンのメインとなつているのは、人間の自然な生理に基づいた食事法ですが、深呼吸、有酸素運動、リラックス法などの実践法もあります。その中で私が重視して自ら実行したのは、以下の3つの食事法です。
- 果物と生野菜をふやす。
- 午前中(午前4時から正午)
は、便と老廃物の排泄の時間なので、消化に負担をかけない果物を食べる。 - 1日に体重の30分の1に相当する量の水を飲む(活泉水という水を飲んでいます。)。まず、朝食はバナナやリンゴなどの果物を4つくらい食べ、水を飲んでいました。昼食と夕食には、玄米と生野菜をたくさんとるように心がけました。果物は間食としても積極的に食べるようにしたので、前はゼロに等しかった、食事に占める果物と生野菜の割合が7~8割にもなりました。
食生活を替えたところ、すぐに便通がスムーズになりました。老廃物がさて、よく排出されるようになったせいか、顔に吹き出物が出なくなったことにも気づきました。そして、いつしか、過食やストレス食いの傾向がなくなったのです。体重も、予想よりもはるかに早いペースで落ちていき、わずか2ヶ月で、なんと20kgもやせたのです。下腹と背中にたっぷりついていた脂肪もすっかり落ちて、90cmだったウエストは73cmまで縮小しました。まんまるだった顔も面長になり、私は人相も体型も激変したのです。
それとともに、心のエネルギーも高まってきて、自分を大切に考えるようになりました。長年飲み続けてきた精神安定剤も、とうとういらなくなったのです。
このような体験をしてきた私は、診察でも、患者さんの食生活に注目するようになりました。どうしても、患者さんは食事に対する意識が低くなりがちで、バランスの悪い食生活を何年も続けている人が多いのです。そうした患者さんに対して、私は、現在では食事の改善指導とカウンセリングをメインに治療を行っています。インターネットのブログやメールマガジンでも、「薬を使わない医師」として、食生活にまつわるさまざまな提案やアドバイスをしているのです。
食事は体のエネルギーになるだけでなく、心のエネルギーとしても非常に重要です。食事で栄養障害があると、心のエネルギーが不足することとなり、その結果、精神症状が起こりやすくなります。また、ストレスが原因で栄養障害となり、体と心の自然なリズムをくずしてしまう、その結果として、肥満になってしまうケースが多いのです。
体の老廃物を促す食品としてはたまねぎが特におすすめですので積極的に摂るとさらに体の調子を整えるのに役立ちます。
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