食生活の一番の問題点

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これだけ健康の情報が氾濫していると、今の食生活はやはりどこかおかしいと思っている人が増えていると思います。そこで、まず最初に何がおかしいのか整理します。
そして次に、現代において食生活をどう考えればいいのか、その指針となる考え方をお話しします。そして最後に、食生活の改善法を買い物の話を含めて具体的にお話しします。

今の常識的な考え方というのは、1日30品目食べて、塩分を10g以下に減らして、緑黄色野菜を300g食べるーだいたいそんな感じでしょう。
ご飯を少なくして、数多くの食品をまんべんなく食べるというのが一般的な常識です。そういう常識ができてきた背景というのを、時代をさかのぼつてお話しします。

この常識が広がった背景には、昭和30年代の栄養改善普及運動というものがあったのです。そして、この運動の理論的な根拠として「食生活近代化論」という理屈がぁりました。このことの影響が今でも残っているんです。
そして、このせいで食生活がわかりにくくなっているんですね。では、一体どういうことが行なわれたのかをお話しします。まず、昭和25年に「タンパク質をとりましょう運動」というのが始まりました。それから昭和32年、6つの基礎食品を提唱し、この知識の普及が始まったんです。

今でも保健所や病院では、この基礎食品の表を貼っているところがありますね。一群は米など、二群はタンパク質、三群はカルシウムという具合に、食品をまんべんなく食べるため、6つに分類した表です。大学によっては、6つではなく4つに分けているところもありますが、狙いは同じです。

そして、その年に『頭脳』という本がベストセラーになりました。慶応大学医学部の林先生が、頭をよくするのにはどうしたらいいかを書いた本で、ポイントが2つあります。
その一1つが「米を食べるとバカになる」ということだったんです。この本がベストセラーになって、日本中にこの考えが広まってしまったわけです。
こういう例はいくらでもあるんですね。たとえば、現在流行っている、「牛乳を飲んで骨粗鬆症を予防しよう」というのも同じです。20年、30年たってみたら信じられないようなことが、平気で常識になるというのは結構多いんです。

健康についての情報というのは影響力が強いんです。ただ、味の素をなめて頭がよくなるというので、本当に子供になめさせてしまった当時のお母さんは、今で言えば『チョコレート健康法』を買うような人だったろうなとは思います。それはともかく、この本がベストセラーになって、米食低能論が広まったわけですが、この影響は今でも根強いですね。今では、さすがにバカになると思っている人はいませんが、ただ、米をたくさん食べることはよくないというイメージが植えつけられました。

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