1日に何品自食べればいいのか? は健康には無関係

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たとえば、1冊も食生活の本を読んでいない人は、たくさんの種類の食品を食べることがバランスのとれた食事だと考えます。実際、病院で食事指導をしていると、「1日30品目食べなくていいんでしょうか」と言う患者さんが多いんです。患者さんのうち、だいたい4割から5割の方がこうした質問をします。私は短い時間の中で、買い物の話から献立の詰までしなければいけないので、1日30品目という質問に何とか早く答えられないかと思って、「じや、七味唐辛子でもかけてくださいよ、7つ増えるから」と笑ってごまかしてしまうんです。

これは、そのくらいどうでもいいことなんです。そして、食生活の本を10冊読んだ人は、そのうちの一つを信じ込んで突っ走ります。今この本を読んでいる人の中にも、突っ走っている人がいるかもしれません。

本人はハワイに向かっているつもりで、台湾に着いてしまう人ですね。30冊の本を読むと、だいたいノイローゼになります。「あれっ、こつちの本で青汁がいいといったのに、こつちの本には青汁はダメだと書いてある」というように、本と本の間の矛盾に気づくんです。
30冊も読むと、必ずバッティングします。そうすると、わけがわからなくなってくるんです。そして、100冊も読むと何も食べられなくなります。ある本では肉はダメ、ある本ではl: ジンはダメ、ある本では果物はダメと書いてあります。そうすると、食べられるものが何もなくなります。
それが食生活の本の実態なんです。私の本をすでに読んでいる人の中には、「おもいッきりテレビ的な人」は少ないと思います。ところが病院には、アマチャヅ〜から紅茶キノコになって、今はニンジンをぼりぼり食べているという人が来ることもあります。「あなた、今度は何をやるんですか」と聞きたくなるほどあれこれと変わるんです。私はそういうのを「趣味の園芸」と呼んでいます。こういうのは、放っておいても実害はありません。

チョコレートではなくニンジンですから、食べること自体は体に害もないし、悪くもありません。ただ、そういう人は、食生活全体は変えませんね。好きなものを食べながらニンジンを食べるんですから。それで体が変わるなら、一番簡単でいいと思いますが、そうはいかないんです。

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