唾液の効能7「より女性らしさ、男性らしさを」

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きれいで魅力的な顔の人は、どんな特徴があるのでしょうか?それは、一言で説明するのは難しいのですが、簡単に言えば、表情がとても豊かだということです。

顔のきれいな人は、きれいな歯でしっかり噛んでいます。噛むことで頭蓋骨がバランスよく成長するとともに、顔の表情をつくる筋肉が鍛えられて、美しい笑顔が生まれます。

また、噛むことで分泌される唾液からのホルモンも「美人の条件」です。顔の皮膚細胞の代謝を活発にして、張りのある美しい肌を保てるからです。よく噛んでいる女性は、スリムで美肌といっても過言ではありません。

前述の上竣成長因子は、皮膚や粘膜、血管など多くの細胞の増殖を促し、細胞の新陳代謝を活発にして、皮膚の内部から活力のある美肌形成を促進させます。よく噛むことは、唾液分泌を促進させるので、健康美人になるための条件だといえるでしょう。

男性も無関係ではありません。青年期の雄マウスの唾液腺を摘出すると、なんと28日間で睾丸内の精子数ならびに生殖能が急激に低下することが、米国泌尿器学会の機関誌に発表されました。

そして、これらの生殖機能の減退は、上皮成長因子の投与で回復することが確認されました。唾液腺摘出後、29日目の睾丸100 mg中の精子の数は約1500万個で、正常値の約25%減少しました。

また、本来、精子は活発に動き回りますが、この運動能も約70%低下していました。そして、唾液腺を摘出した雄マウスは妊娠可能な雌マウスと一緒にしても消極的になり、妊娠した雌マウスの数は正常と比べ、6.6% 減少していました。

しかし、唾液腺を摘出しても、上皮成長因子の皮下注射を適量し続けると、精子運動能は正常値の5.9% までしか回復しませんでしたが、精子数ならびに受胎率は健康状態とほとんど同等レベルになりました。確かに、唾液腺摘出は精子形成を障害しますが、上皮成長因子を投与すれば、精子運動能の回復は不十分ながらも、ラットの男性機能は立派に回復したのです。

少し脇道にそれますが、最近、話題になっている「セックスレス」。もしかしたら、「噛まなくなった生活」と関連があるのではないかと思うことがあります。

噛むことは人問が生命を維持するための大本であると前に書きました。強い男になるための、すなわち性欲が強い男であるための大きな条件として、「よく噛む」ことが挙げられます。よく噛むということは、生き方がしたたかでイキイキしているということです。俗に「英雄色を好む」といいます。噛む力の強い者ほど精力が旺盛で、権力にも近かったのではないでしょうか。これは、人間にも動物にも当てはまることです。

食欲で強いほうが生き延びる、食欲も性欲も旺盛なほうが生き延びやすい。その根幹がよく噛むことであり、そのことで分泌される唾液の量なのです。逆に、噛む能力が弱いオスは、もともと生死をかけて戦う能力も弱ければ、子孫を残したいという欲望や能力も弱かったということになります。つまり、よく噛み、たくさんの唾液を出すオスは、強く生きられるうえに、生殖能力もあって自分の子孫を残すことができるというわけです。

最近になって、セックスレス・カップルになる原因は199 2年から2000年までの統計では「性嫌悪」の増加ぶりが目立つようになり、さらに注目されるのは、その男女別内訳です。当時は性嫌悪全体では男性81人、女性146人と女性に多く、6〜7年前までは男性のほうが少なかったのですが、最近では男性に多くなったといいます。

つまり、性嫌悪症といえば女性といっても過言ではなかったのが、そうした区別がなくなってしまったというのです。回答した男性81人は、全員が「獲得性」(あるときまではセックスができていた)、「状況性」(相手が異なればセックスはできる)、「心因性」(身体的疾患はない) でした。このなかでパートナーの個人的欠点を嫌うようになって生理的嫌悪感を持つようになった3 を除くと、それ以外のカップルは伸のよい関係を維持しており、性的ニュアンスを含まなければ、腕を組んで一緒に買い物に出かけることも珍しくないような状況です。

これらのカップルに共通する傾向として、パートナーに対する愛情の質が変化している点が挙げられるといいます。つまり、結婚当初は「男女愛」であったものが、生活を重ねるうちに「家族愛」 や「肉親愛」に変化して、パートナーを性の対象としては見なくなる傾向が認められるそうなのです。

性治療に長く携わる医師にもなぜ、かつては目立たなかった男性の性嫌悪が増えているのか、その原因はわからないというのが本当のところだといいます。

もしかしたら、この性的意欲の低下の原因の1つとして、「噛まない食事」を好むようになり、唾液の分泌が減り、その結果、噛む能力や戦う能力が弱くなり、同時に子孫を残したいという欲望や能力も弱くなってきたということがあるのではないかと考えるのです。

今こそ、人間として本来備わっている能力を十分に活用して健全で心豊かな生活を送るためにも、よりよい結婚生活を送るためにも、「よく噛むこと」をもう一度見直してほしいと願ってやみません。

唾液分泌のメカニズムと唾液の効能7項目