唾液の効能4「発がん物質の働きを抑制」

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唾液には、発がん物質を抑制する成分が含まれることもわかっています。1981年、同志社大学の西岡教授は、「ヒト唾液が発がん物質の変異原性を消去する」という論文を発表しました。

これは唾液に含まれているラクトペルオキシダーゼという酵素に、いわゆる発がん怪物質として知られる食品添加物や生体の異常によって発生する有害な活性酸素を消去する作用があることを実験的に証明したものです。

ピーナッツなどにつくカビ毒、防腐剤、魚のこげ、牛肉のこげ、サケのこげ、たばこのヤニなど、いずれも私たちが普通に生活をしていて、日常的に口にする可能性の多い発がん物質ばかりです。唾液を混ぜる前と混ぜたあとでは、いずれも「変異原性の強さ」の値が大きく減少していることがわかります。

この変異原性の値とは、実験の結果、突然変異した細胞集団の数を示したもので、それぞれの物質が細胞をがんにする「毒」の強さを表しています。つまり、唾液を混ぜたあとで、この値が大きく低下したということは、唾液にはっきりと発がん物質の毒を消す効果あったということなのです。

さらに、西岡教授は唾液に含まれるこの酵素、ラクトペルオキシダーゼの作用には個人差があり、しかも個人の生活状況や体調(睡眠不足、疲労など)によっても影響を受けることも証明しています。

また、この酵素の作用は20歳代でがん抑制効果が最大ですが、小児や高齢者など年齢や老化によって低下することも報告しています。

個人の生活状況や体調で、この酵素のがんの毒消し効果が変わるということは、生活習慣が乱れると、がんに罹患しやすくなるということで、西岡教授のこの研究は、がんが生活習慣病の1つであることを証明した非常に価値の高いものといえるでしょう。

なお、このほか、唾液に含まれるアミラーゼ、カタラーゼなどの多くの酵素にも、発がん物質の働きを弱める効果があることが知られています。いずれにしても、酵素に働いてもらい、食物に含まれる発がん物質を中和するすには、食物をよく噛み砕き、しっかりと唾液と混ぜ合わせる必要があります。「よく噛んで食べる」ことががんの予防に役立つというのは、そういう意味なのです。

唾液分泌のメカニズムと唾液の効能7項目