プロレス中にけがをしたら訴えることはできるのか?

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仮に、人権意識が強く、人にケガをさせるような暴力を振るってはいけないと考えているプロレスラーがいたとする。そんな彼が試合で相手のパンチで大ケガをした。さて、このプロレスラーは、試合相手を傷害罪で訴えることができるだろうか?

答えを先にいうと、よほどのことがない限り、この訴えは認められない。なぜなら、刑法35条に「正当の業務に因り為したる行為は之を罰せす」とあるから。プロレスでは、相手に暴力を振るうことが正当な業務とみなされる。
つまり、この業務に従事した「被害者」は、相手と殴り合うことに同意しているわけで、試合でケガをしたからといって相手を罪に問うことはできないのだ。

では、暴力を振るうことが業務ではない、たとえばプロ野球の乱闘事件などの場合はどうかというと、これもまず罰せられない。理由は、警察には「特別法優先の原則」というものがあり、この場合の「特別法」とは「プロ野球規則」で、暴力沙汰があったようなときは、リーグ会長やコミッショナーがこのと則に則って裁定を下すのが大原則だからだ。

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