母乳はひとりひとり成分が異なる

母乳の主成分は、栄養源となる乳糖、エネルギー源となる脂肪、脂肪の代謝を調整するコリソ、そして血液の凝固を防ぐクエン酸です。もちろん成分としての比率は少ないのですが、他にも欠かすことのできない重要な物質が多数含まれています。

しかしここでほこの4 成分に注目して、母乳の「質」ということを考えることにしましょう。出産後5日目の母乳の成分を分析です。母乳の場合、1 ccほどのサンプルであれば、2 分間はどで分析が終了してしまいます。お母さんの出産後5 日目の母乳成分の総合的全体像です。100名弱の統計になります。

乳糖は、平均値が222.9mM。100名弱の中には128.6mMという低値を記録したものもありました。対して、最高は、335.3mMです。この差の大きさに注目してください。

どの成分をとっても、最高値と最低値の間にきわめて大きな差がありました。たとえば脂肪( これほ濃度が高ければよいということではありませんが) などは。何と10 倍以上もの開きがありました。「母乳は完全栄養食品である」という先入観があったのですが、これでは状況は異なります。しかしこの結果をみれば、その先入観は捨てるべきだと強調せざるを得ません。

母乳の濃度・状態ほ、母体の健康状態によって大きく変化するのですから、場合によっては必ずしも、赤ちゃんにとって望ましい「完全栄養食品」ではないということです。仮に量は十分だったとしても、内容的には心配な母乳である場合も少なくないというべきでしょう。

一般の産婦人科医たちは、普通、産後すぐの赤ちゃんの健康状態を黄痘症状から判断し、人口栄養( 粉ミルク) やブドウ糖の投与を検討します。母乳濃度を調べることが一般化するなら、より早く、適切な対応ができるようになるでしょう。

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