お母さんが牛乳をたくさん飲んでも母乳は出ない

もし、牛乳が「正真正銘の完全栄養食品」だったとしても、それが完全栄養であるのは、離乳期までの牛の赤ちゃんにとってのことです。離乳期に入れば、牛の赤ちゃんですら牛乳の栄養だけでは順調に育つことができなくなります。まして人間の赤ちゃんならなおさらのことではないでしょうか。

加えていえば、すでに離乳期を20年以上昔に過ぎてしまった大人にとって、牛乳が完全栄養食晶であるはずがありません。牛乳は、子どもにとっても大人にとっても、栄養補助食品でしかないのです。

それでもまだ納得できない方がいるだろうことを、私たちは知っています。粉ミルクよりも牛乳のはうがマシだろうと考える方もいるでしょう。

かつて、赤ちゃんのための人工栄養である粉ミルクは、さまざなな面から批判された時代がありました。しかしそうした批判を経て、現在の粉ルクはずいぶんと改良されました。

粉ミルクは、牛乳を主材料とする加工の過程で、いったんさまざまなミネラルを取り除きます。そして改めて必要なミネラルを加えて成分を調整しています。そんな加工過程において1984 年にほ、赤ちゃんの脳の発達に不可欠なミネラルである亜鉛と銅が入れられるようになりました。

とはいえ、現在のごく一般的な粉ミルク製品の成分を分析してみると、セレニウム、コバルト、ニッケル、モリデブなどの微量必須ミネラルは入っていないといいます。
したがって粉ミルクは未だに母乳におよばないのが事実です。

しかしそれでも、赤ちゃんにとっては、牛乳よりもはるかにありがたい栄養源であることを忘れないでください。

でほお母さんの乳房が、牛乳に頼らずに、しかも豊かで滋味に満ちた母乳を出せるようになるにはどうしたらよいのでしょう。

牛乳を大量に飲んだら、母乳もたくさん出るかというと、そうではないのです。どちらかというと、ご飯やいもなどの炭水化物をたくさん食べた方が母乳はたくさん出ます。また、おもしろいことに、母親のとるカロリーを減らし気味にしたほうが、母乳が出ることさえあるのです。

これについては、短絡的な解釈をしないようにしてください。カロリーを減らしたほうが母乳が出る、といっているのでほありません。そのはうが母乳が出ること「さえ」 ぁるとしています。これは「母乳を出さねば」の焦りからカロリー過剰になるお母さんが少なくないことへの警鐘と受け止めておくことにしましょう。さて、それでは、牛乳に頼ることなく、しかも豊かで滋味に満ちた母乳を出せるようになるにはどうしたらよいのでしょう。この基本はきわめて簡単です。

「1日30品目」の食事を実践してみてください。これほは日に30種類のメニューを食べろというのではありません。料理の素材として、毎日30 種類の食品素材を使うようにしたはうがよい、という意見です。

加工食品などをできるだけ使わないようにして、野菜類、芋類、豆類、海草類、穀類、肉類、魚介類などをまんべんなくどちらかというと肉製品が過剰になりがちな昨今の日本の食傾向では、野菜類や魚介類に重点を置いたはうがよいでしょうしかも、昨日と今日、今日と明日にはできるだけ違った素材を使ってお料理を作るようにすると、ごく自然に栄養バランスが整うものです。

大変だと思いますかっ・たしかに料理嫌いな方にとっては大変かもしれません。野菜、芋、豆などは、料理の手間もかかりがちです。

しかし料理嫌いとは、そのまま健康意識の低さに直結しかねないことに気づいてください。ましてかわいい赤ちゃんに栄養を与えるべきお母さんが、どうして料理嫌いでいられるというのでしょう。

この「1日30品目」を簡単に実践できる基本があります。その第一は「具だくさんのみそ汁」です。みそ汁には最低でも3種類の具を入れるようにしてみましょう。すると化学調味料を使ったとしても、3種頬の具+ 味噌で4 品目が食べられます。もしも煮干しと昆布でダシを取る手間を惜しまず、しかも煮干しと昆布を一緒に食べれば、これだけで6 品目になります。

さらにご飯、そしてクマゴときざみネギを入れた納豆を合わせれば、さらに4品目です。どぅでしょう。ここまでで合計10品目になるではないですか。こうして考えれば調理の手間を余り惜しまないかぎり1 回の食事に10品目を食べることはたやすいことなのです。したがって1 日に3 回、さらに3時のおやつや軽い夜食を加えるなら、30品目などいともたやすく達成できてしまいます。

味噌の効能はこちら。

というところで、あなたの1日の食生活をみつめ直してみてください。いかがでしょうか。大丈夫ですか。もしも加工食品ばかりに頼っていたり、手間のかかる野菜類などの調理を嫌がっていたりしたら、決してよい結果はでないはずです。でもね、あなたほかわいい赤ちゃんのお母さんなのですから、もう大丈夫ですよね。ほんの少しのことでこなせる手間など、もう決して惜しまないほずですね。