喫煙者は人参を食べる!

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人参のあのオレンジ色を生み出しているのがカロチンです。その色素の仲間をカロチンまたはカロテノイドと呼んでいて、その種類はたくさんありますが、ブロッコリーなどの濃い緑色を生み出しているのもカロテノイドです。

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何百とあるカロテノイドの化合物のなかで約10% が体内で転換されてビタミンA にかわりうるのです。その代表がβカロテンで、これを最も豊富にふくんでいるのが人参です。

ジョン・ホプキンス大学のマリリン.メンクス博士は血液中のベータ・カロチン濃度と癌の相関を調べて注目すべき結果を報告しています。彼女とその共同研究者は、1974年に血液捏供者を募って血液を採取し、9年後の一九八三1983年に提供者をひとりひとり訪ねて回ったのです。

すると99人が肺癌にかかっていました。そこで対照となる血液提供者との血液中のベータ.カロチン濃度を比較してみると、顕著にその濃度が低かったことがわかりました。

最も濃度の低い群と高い群を比較すると、低い方の発病率は高い方の2.2倍も高かったのです。

しかし、もっと大きな相関が肺癌のなかでも喫煙者に多い扁平細胞癌(肺の内膜にできる皮膚癌の一種) に対してみられました。血液中のベータ・カロテンが最も低かった群の人は、最も高かった群の4倍の高率でこの癌を発病していたのです。

たばこそれだけ人参が煙草による癌の発生を抑止してくれていたことになりますむろん、人参に限らずベータ・カロテンを多くふくんだ野菜や果物はみな同じ働きをするはずです。

ほうれん草、かぼちゃ、さつまいも、トマでは、喫煙者は人参を食べていればよいのかというと、残念ながらそういうわけにはいきません。いくら人参がベータ・カロテンのかたまりであっても、バカバカ煙草を喫いつづけている人の発癌のリスクをゼロにはできないからです。

人参はリスクを半分にできるだけで、喫煙はリスクを10倍にも高めるのです。

ただ、研究者たちは煙草をやめた人の発癌は(喉頭癌をふくめて)、かなり予防できるとしています。いずれにしても、人参を食べてよいことはあっても悪いことはないわけです。

人参の食べ方だが、抗癌効果は生よりも加熱調理したほうが高まります。そのほうが2~5倍も多くカロチンが吸収されるからです。しかし、加熱しすぎるとよろしくないのです。煮すぎた人参はもう抜け殻で、ロテンはこわれてしまっているのです。

抗癌と並ぶいまひとつの人参の効用は、血中コレステロール値を下げることですが、その効果は生で食べた場合に得られます。だから生の人参料理もレパートリーに持っていたいのだが、すすめられるのは、人参サラダです。これはグレイターでおろして、レモンの絞り汁であえ、植物油を少しかけただけで出来上がりです。冷蔵庫で何日ももつから毎日人参を食べるようにります人参は便をやわらかくし、かさを増大させる。それが便秘の予防と整腸につながるので、人参は毎日食べることです。

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