「木の根」は、木にとって、生命力の源です。木の根は青々とした葉を茂らせ、美しい花を咲かせるために、大地から水や養分をとり込み、太い幹をささえるために、深く広くはりめぐらしています。人間の体でいうと、この「木の根っこ」に当たるのが「胃腸」であり、中医学ではもっとも大切な臓器だとしています。
そう、心臓よりもです!なぜ「胃腸」がもっとも大切な臓器なのかというと、私たちの血や骨や筋肉体のすべては、胃腸が吸収した栄養素でつくられているからです。胃腸が食べ物を消化・吸収しなければ、人間は生きられません。胃腸が弱れば、消化もままならず、栄養も吸収されないまま排泄されてしまい、目と深くつながる「肝臓」にも必要な栄養が供給されなくなります。
胃腸が健康になって、きちんと栄養を運ぶようになれば、目のトラブルの改善につながるのです。一般に人間の内臓は、外側からさわることができず、また、内臓の働きは自律神経に左右されているため、自分ではコントロールできないと思われています。
ところが実際は、お腹をマッサージしたり、運動で揺らしたりするという具合に、体の外側から刺激することで、活性化させることはできます。そしてラッキーなことに、外からの刺激で活性化しやすい内臓の代表が、「胃腸」です。人間の大人の腸の面積は、広げるとテニスコート1 面分はあるといわれており、胃と腸を合わせると、内臓の中でもっとも大きな部分を占めています。この胃腸の働きを活発にすれば、逆に自律神経にも影響を及ぼし、自律神経を活性化させることができるのです。自律神経の状態がよくなれば、血流も改善されますから、目に酸素がしっかり届きます。「目のトラブルに胃腸が関係している」というと、ほとんdの人が驚きます。でも、「そういえば、胃を壊してから視力が落ちた」という方が圧倒的に多いのです。
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