13年間、布団で寝られていないという重症の女性が、旦那さんにささえられ るようにしてやってきました。 なぜ布団で寝られないかというと、動くと激しいめまいに襲われるため、寝返 りがうてないから。
いつも壁によりかかって寝ていたそうです。 熟睡できないために疲れきり、仕事ができなくなる恐怖に襲われ、病院をあち こちまわり、自律神経の失調に処方される睡眠薬や安定剤を13年間飲み続けてき ましたが、まったく改善しなかったというのです。
そこで心配したご主人につれられて、やってきたのです。
最初に女性を見たときに「自律神経がかなり崩れているな」と思い、いろいろ質問をしてみると、彼女は、外資系の弁護士事務所に勤務されている方でした。
毎晩、遅くまでハードワークをし、時には海外の時差に合わせて昼夜逆転勤務をすることもあるそうです。そこに対人ストレスや事務所の引っ越しなども重なり、自律神経が乱れに乱れてしまったのです。
そこで自律神経について詳しく説明し、少しずつ体をう指導しました。すると、13年間、薬を飲み続けても治らなかっためまいが、わずか半年で治まり、1年がたつころには、すっかり元気をとり戻したのです。
意識しなくても、私たちの心臓が動き、胃が食べ物を消化し、体温の調節ができるのは、自律神経のおかげです。自律神経は生命維持装置とも言えるでしょう。
そんな大事なものなのに、自律神経が弱ったとき、現代日本の医療では治療法は確立されておらず、薬を処方するのがせいぜいです。また自律神経は、気づかない間に少しずつ乱れていって、大きな症状がでるまでにかかった時間と同じだけの時間をかけないと治らないといわれます。
薬だけで治そうと思ったら、最低でも5~6年はかかるといわれています。なぜかというと、自律神経は、人間の活動に合わせて、その場に応じた最善の指令をだします。
たとえば急に寒いところにいったら、血管を収縮させて体温の蒸発を防ぐという具合です。でも、薬の成分で気持ちを安定させてバランスを整えようとしても、こうした機能にまでは作用しません。だから、薬による治療には限界があるのです。やはり、自分の内なる回復力を目覚めさせるのが一番なのです。
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