夏に急増する女性の病気(アトピー性皮膚炎)

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汗をかくことでかゆみが増強され我慢できないほどかゆくなってしまう夏のアトピー。かゆくなるので全身をかいてしまう。肌が赤くなり、皮膚がボロボロとむける。そんな症状が多発したら、「アトピー性皮膚炎」の可能性を疑おう。
アトピー性皮膚炎は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎と並ぶアレルギー疾患の一つ。「もともとは小児に多い皮膚疾患で、年齢を重ねるごとに軽減していく。ただ、最近は大人になってから発症したり、再発したというケースも珍しくない。学生の頃はアトピー?というくらい全く症状がなかったのに就職を機にアトピーを発症してしまうケースも多い。
また、4月に就職や転職をしてはじめての夏を迎えると突然にアトピーの症状がでてしまう人も多い。
食事、睡眠、ストレス発散とバランスのいい生活が送れずにいるとアトピーを突然発症してしまうこともあるので注意したい。
  • 夜、肌がかゆくてよく眠れない
  • 夏になると、ひじ、ひざの裏、首の付け根あたりがかゆくなる
  • 鼻炎や花粉症などアレルギー持ちだ
  • 小さなころにアトピー性皮膚炎だった
などが該当する人は専門医を受診したほうがいいかもしれない。

アトピー性皮膚炎の原因は、遺伝的な素因が強いとされ、肌の天然保湿因子(NMF)やセラミド(脂質)の量が少ない体質のため、バリア機能が弱い。
バリア機能とは、皮膚の一番外側で皮膚を守っている角層の働きのこと。水と脂質が混合した層により、外からの刺激から肌を守ったり、水分を肌にとどめるために働く。
この働きが弱いと、水分が蒸発しやすく、敏感な乾燥肌状態が続く。外部からの刺激も受けやすく、発疹も出やすい。また、体内で異物などの侵入を防御し、体を守るために働く免疫機能が異常になり、炎症を引き起こすこともある。
仕事のストレスやダニ、ハウスダストなどの環境因子も悪化の一因。
体質と環境という2つの要因が絡み合い、大人のアトピーが増えたと考える医師も多い。

この疾患で最も悩ましいのはかゆみ。我慢できずに仕事や日常生活に支障が及ぶケースも少なくない。夏は汗をかいた後、塩分(ナトリウム)や尿素、水分に吸着したほこりや汚れなどが肌に残る。健常な肌であればはじき返せるが、皮膚のバリア機能が弱っていると、これらの刺激も受けてかゆくなる。かくとまた刺激が生まれ、炎症を助長するという悪循環にも陥りやすい。

大人のアトピーの悪化要因は、睡眠不足、栄養の偏りなども考えられるため、小児期のアトピーに比べて、改善しにくい。治療のゴールは根治ではなく、薬とスキンケアで肌をいい状態にコントロールできるようにすること。
ステロイド外用薬から始め、かゆみを抑える内服の抗ヒスタミン薬やプロトピック軟膏を処方しながら治療を進めるのがスタンダード。

夏場は汗をかいたままにしやすいので、汗をかいたらシャワーで洗い流して清潔さを保つこと。洗った後は、ローションやクリームなどの保湿剤で必ず乾燥を防ぐケアが重要。
ローションやクリームの前に安全無添加のミネラルウォーターのローションなども効果的。

ヘルペスなどの合併症誘発を避けるため、紫外線を防ぐU Vケアも必須。商品は、刺激の少ない敏感肌向けのものを選んで使おう。新たな治療法としては、08年にアトピーへの適応が認められた免疫抑制剤「シクロスポリン」や紫外線による光線治療も注目されている。

シクロスリンとは?
免疫抑制薬で商品名は「ネオラール」。もともと臓器移植後の拒絶反応抑制のために選択される薬がアトピーにも有効であることが判明。
かゆみを引き起こすヒスタミン分泌を抑制し、慢性的なかゆみや湿疹に効く。
8週間使用した後は、2週間の休薬期間を設ける。
光線治療との併用はNG。