夏に急増する女性の病気(多汗症)

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暑さも本番を迎える8月。汗で悩む人も多いはず。通常、汗は“暑いからかく。熟を逃がして体の体温を下げるためのもの体の生理作用。大量の発汗や局所的な発汗がひどいときは、病気のサインであることもあるので注意が必要なケースもある。

汗の出方も次のような場合、病院で受診が必要な場合がある。
  • 就寝中、パジャマがぬれるはど大汗をかく
  • 急に全身に大汗をかくようになった
  • 緊張すると手のひらやわきの下などに大汗をかく
  • 汗でパソコンのキーが滑ることが多い
  • わきの下の汗のにおいが気になる
  • 顔や上半身のみに大量の汗をかく
  • 体の片側や体幹のみに大量の汗をかく
  • 大量の汗をかき、腐りかけの果物のにおいがする
汗を多くかくので、夏は憂うつという人も多いだろう。しかし、汗は人の健康を維持するためには、なくてはならない大切な役割を果たしている。
「人が汗をかくのは、体表から汗を蒸発させることで熱を逃がして体温を下げるため。汗をかくことで、効率的に体の中の温度を一定に保ち、生きるために最も重要な組織である「脳」を守ることができるのである。

体には、「暑さ」を感じるセンサーが2つある。1つは、体外の温度を感知する皮膚。もう1つが体内の温度を感知する脳(視床下部)。これらのセンサーからの情報で体の温度を下げる必要があれば、脳は自律神経の1つである交感神経の働きを活発にして、汗腺からの発汗を促す。
暑くなるほど、体温を下げるために大量の汗が出る。また、日ごろから運動するなど汗腺が鍛えられている人ほど発汗しやすい。

こうした仕組みからではなく、たくさんの汗をかく病気が「多汗症」だ。多汗症には、ただの汗っかきでは済まされない重篤な病気や不調のサインが現れていることが少なくない。
こうした代表的な例が、甲状腺機能亢進症などのホルモンの分泌異常。
甲状腺機能亢進症では体中の代謝を促進する甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるため、全身に多くの汗をかく。代謝が高まることから、多汗だけでなく動機や体重の減少、イライラといった症状が現れるのが特徴。

副腎や脳下垂体などホルモン分泌を司る臓器の腫瘍でも多汗症になることがある。更年期にも発汗が増える。発汗を抑える作用がある女性ホルモンが減るために、汗をかきやすくなる。
特に頭部や上半身など、局所的にドッと汗をか「ホットフラッシュ」という症状は、ホルモン減少に加え、自律神経のバランスが乱れて起こる。
これは頭部の汗腺につながる交感神経が過剰に働くためだ。また、大量の汗をかき、尿から腐りかけの果物のにおいがするときは、糖尿病が疑われる。

「寝汗」も重要な病気のサイン。「白血病などの血液の病気や、結核の場合、一晩中汗腺から漏れ出すように大量の汗をかくことがある。
ミネラル分などが多いベタベタした汗をかくのも特徴。

寝汗は通常、体温を下げるために寝入りばなにかくが、これらの病気では微熱があるため、寝ている問中汗をかく。

一方、人前で緊張したり、ストレスを感じたときに出る汗は「精神性発汗」。特に手のひらやわきの下などに多い。これは、ストレスで交感神経が過剰に反応するために起こる。だから、「解決法は開き直るのが一番。

わきの下の汗なら、汗腺につながまひる神経を麻痺させる注射を打つボツリヌス毒素注射が効果的。
手の汗には、神経をブロックしたり切断する治療があるが、体のその他の場所に汗をかく「代償性発汗」が見られるようになるので注意が必要。

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