顎を動かすということは脳のジョギングと一緒

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さて、認知症を考える前に、「運動と脳」の関係について考えてみましょう。

子ども時代に野球、サッカー、鬼ごつこなど、外で遅くまで遊びすぎ、「遊んでばかりいないで、少しは勉強しなさい」と、お母さんに叱られた思い出はありませんか?

ところがこの母親の常識、半分は正解ですが、半分は間違いなのです。つまり、勉強しなければよい成績にならないのは本当です。しかし、遊びを通した運動は、筋肉や骨を鍛えるだけでなく、頭をよくすることも科学的に証明されているのです。

24年ほど前(1995年)、米国カリフォルニア大学心理生物学部のS・A・ニーパー氏らは、ラットの運動量を増やすと記憶をつかさどる海馬の神経活動が活発になることを世界ではじめて証明しました。

つまり、運動(走る)は記憶力の向上に密接に関係していたのです。しかも、走ることによってとくに活性化される部位は、海馬の自分の居場所を認知する能力に関係する領域や大脳皮質連合野(情報を統合、整理する能力)の領域でした。

さて、ここでちょっと考えてみてください。走ることは手足の運動で、噛むことは下あごを上下左右に動かす運動です。

私は、同じ運動ならば、噛むことも脳に刺激を与えて脳を活性化しているのではないか、その科学的根拠をつかめないか、と考えました。脳神経科学研究グループとの共同研究がスタートしました。ここで、このグループと多くの研究協力者の真摯努力によって発見されたすばらしい成果を紹介してみましょう。