咀嚼が変えた脳の重さ

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人類が誕生してから400万年といわれていますが、それ以前、人類が人類になるずっと以前から、「嚙む」という行為は行われてきました。地球上の動物は、例外なく何かを食べなければ自分の生命を維持できません。

つまり、噛むことは、人類の生きるための本能として、悠久の時問の流れの中で、しっかり体の遺伝子に組み込まれています。

サルからヒトへの進化にも長い過程があります。その問には多くの環境変化がありましたが、食生活が脳の重量を400g 前後から1400g へと変化させたのです。人類の祖先としてルーシーという名前がつけられた350万年前の女性の猿人は、身長110cm、体重27kg、脳の重さ400gでした。

猿人は食物を牙で引き裂いて食べていましたが、その後、道具をつくり、火を使えるようになった原人は、火で焼いて細かく噛み砕いて食べるようになりました。

原人の脳は前頭葉がそそり立ち、猿人の2倍以上の1000~1200gになりました。さらに、器用に進化した手足を使ってさまざまな道具や調理法も編み出し、あごの微妙な動きと、舌と鼻からの味と匂いの情報を大量に脳に送り込むようになつたことにより、牙を食物をすり潰すことのできる歯に変化させ、現代人の1400g の脳への発達に拍車をかけました。

以上のように、進化の過程で「噛む」ことが脳の重さを増やしていった、ということです。