ヨットレースで明らかになった分割睡眠の効果

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必要に迫られて分割睡眠になった場合、どうなるのでしょうか? それには、外洋ヨットレース中の睡眠の研究が参考になります。
2週間以上かかる1人乗りあるいは2人乗りの外洋ヨットレースに参加した、のべ54艇、99人の睡眠が分析されました。参加者は全員、レース以外の普通の生活では、夜に6~8時間の睡眠をまとめてとっていました。レース中にも通常の生活と同様、夜にに6~8時間のまとまった睡眠をとっていた人は、わずか7% しかいませんでした。
最も多かった睡眠パターンは、20分〜2時間の睡眠を分割してとって、1日当たりの総睡眠時間が4~5時間の人で、参加者全体の60%以上を占めました。また、1回に4時間眠って8時間起きているパターンを繰り返す海軍式睡眠をとっていた人が、19% いました。睡眠のパターンとレースの成繚の関係を見ると、1回当たりの睡眠時間が短く、1日の平均睡眠時間が4~5時問の人が、ヨットのスピードが速く順位も高い傾向がありました。
さらに、上位入賞艇のほとんどが、20分~1時間の睡眠を小刻みにとって、1日に合計4時間眠っていました。起きている時間が長いほど、レース中の状況に迅速に対応できます。しかし、眠らない時間が長くなると、脳の働きが落ちてミスをしやすくなります。メリットとデメリットのバランスをとると、短時間の睡眠を繰り返して、1日にトータルとして4時間前後眠る生活パターンが、2~3週間のヨットレースでは最も効率的なようです。

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