睡眠中に多く分泌されるホルモンには、メラトニンや成長ホルモン、、副腎皮質ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどがあります。
また、女性の睡眠に影響を与えるホルモンとして、黄体ホルモンや卵胞ホルモン、プロラクチンなどが知られています。
メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、眠気を起こす作用が強いため「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。メラトニンは、朝、光を浴びてから4時間後に分泌が始まり、その1~2時間後に眠気が起こります。夜の問にたくさん分泌されますが、朝になって光を浴びると分泌が止まります。睡眠と覚醒のリズムが狂ってしまう病気の人や、時差ぼけが強い人には、治療目的でメラトニンが使われています。
成長ホルモンは、18~20才が分泌量のピークですが、成人した後も分泌が続きます。日中の活動によって痛んだ細胞を修復したり、新たな細胞分裂を促して、体をメンテナンスしてくれるのです。
成長ホルモンは、寝ついてから30分ほどたったときの、深いノンレム睡眠中に分泌が最大となるため、午後10時から午前2時の間を「お肌のゴールデンタイム」と呼ぶこともあります。
抗利尿ホルモンは、オシツコを作らせないように働きかけるホルモンです。た睡眠中にも日中と同じペースで尿が溜まってしまうと、夜中に何度も目が覚めてしまい睡眠の質が悪くなります。それを予防するため、抗利尿ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。
腎臓の上にある小さな臓器・副腎からは、とても重要なホルモンが分泌されています。副腎の中心部にある髄質から出るアドレナリンと、周りの皮質から出るステロイドです。
特に副腎皮質ステロイドは、痛みや炎症を抑えたりストレスを和らげるなどして、体と心を守ってくれます。
このホルモンは、夜明けから早朝にかけて分泌量が増え、午前7~8時頃にピークとなります。目覚めてから受ける外部のストレスに対処できるように、体と心の準備をしてくれるのです。
ホルモンの影響は、1日単位だけではありません。女性の場合、月経周期や妊娠に関連するホルモンの増減が、睡眠に大きな影響を与えています。女性ホルモンのうち、黄体ホルモンは眠気を促し、卵胞ホルモンは眠気を抑える働きがあります。月経の前や月経中に、眠気が強くなったり睡眠時間が長くなるのは、この時期に黄体ホルモンの分泌が増えるためです。また、妊娠の初期にも黄体ホルモンが多く分泌されるので、よく眠るようになります。この時期に動き回らずじっとしていることで、受精卵や胎児を守るためのシステムだと考えられています。
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