あごの骨が強化される

よく噛むということが歯によい影響を与えることがわかりましたが、あごの骨も、「噛むこと」によって細胞に力を加えると、細胞の新陳代謝が活性化し、活発に栄養やカルシウムを摂取し始め、密度の高い丈夫な骨をつくり、強い骨になります。

歯と同じく、よく噛む人はあごも丈夫になり、噛まない人はあごも弱くなるのです。そして、歯がなくなると、あごの骨はもろくなります。このように、運動によって骨に「力」が加えられると骨の細胞はたしかに活性化され、さらに特定のホルモンが与えられると、骨の細胞の活動が極めて効果的に促進されることが明らかになりました。

しかし、栄養素やホルモンなどが十分に与えられても、適切な運動がなければ、強い丈夫な骨は形成されにくいことを忘れてはいけません。

カルシウムの場合なら、運動をしなければ、その土台となるコラーゲンなどがつくられません。したがって、寝たきりや運動嫌いの人は、骨の形成にとって非常に不利な状態にあるといえます。要するに、細胞に力が加えられてはじめて、骨をつくる細胞がカルシウムを受け入れる態勢になるのです。

その時点でカルシウムを摂取しなければ、カルシウムは効率的に骨になることはできません。骨や歯の健康を維持するためにも、カルシウムや栄養の摂取だけでは不十分であり、よく噛むという物理的な力が非常に大切であるという科学的な根拠が提供されています。