目の前の仕事だけでなく将来を見る

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仕事をしていれば、ミスやトラブルなどで心が折れそうになることはいくらでもありますが、「次にやることがある」と思えば、すぐに気持ちを立て直すことができます。つまり、「目の前にある今日の仕事」という小さなところだけにフォーカスしていると、そこでつまずいたときにモチベーションを回復するのが難しくなってしまうということです。

私は会社員時代から、社外の人たちとの勉強会を主宰したり、本の執筆をしたりしていました。会社での仕事がうまくいかなかった日でも、「自分が役に立てることは社外にもある」と考えることで、気持ちを切り替えることができました。また、会社員時代は商品開発をしていたので、「1年後には自分の作ったものが世の中に届いて、お客様の喜ぶ顔が見られる」といった、将来成功した場面をイメージしていました。つねに〝今日の仕事の先にある未来″ を思い描くようにしているのです。すると、目の前にある課題や困難は大局の一部に過ぎないと思える。自分が今いる場所を、少し引いた視点から客観的に見ることができるのです。

会社員であれば、やりたくない仕事を与えられることもあります。もちろん、会社の命令ですから、まずはやってみる。それでも「この仕事は自分にとって意味がない」と思ったら、「自分がやらなくて済むにはどうすればいいか」を考えるようにしていました。

たとえば、私が洗剤の商品開発をしていた頃、実験に使う大量の洗剤を計量する仕事を与えられました。計量は、私には「やりたくないこと」で、自分はその時問を研究に使いたいと思っていました。その実験は、普段は別の製品を作っている現場の機械を借りて行なうので、私が計量しているあいだ、現場の担当者たちは手が空いていました。だったら、計量はこの人たちに任せればいいのではないか。彼らにとって、計量は「いつもやっていること」ですから、任せても大きな負担にはなりません。そう思って現場の担当者と交渉すると、最終的には引き受けてもらえました。最初は断わられたのですが、現場が欲しがっている道具を、私が上司に許可をとって研究の予算で買うことで、引き受けてもらうことができのです。このように、自分がやりたくない仕事を他人に渡し、なおかつ相手もハッピーになる方法を考えれば、お互いにモチベーションを下げずに仕事ができます。

仕事上の必要に迫られて、苦手なことを勉強しなくてはいけないこともあります。そんなときは、自分の好きなことと組み合わせる方法がお勧めです。私も、講演や執筆をするうえで、歴史の知識を身につける必要性を感じたのですが、歴史は苦手でした。そこで、「知らない場所へ行くことが好き」という自分の晴好と組み合わせて、「1年間で日本百名城をすべて見に行く」という目標を立てました。ポイントは、とりあえずスケジュールを組んで宿や交通手段を予約してしまうこと。城に行くなら、その背景を知っておいたほうが楽しめるので、「この日までに」関連する本や資料を読まなくては」と自分を追い込むことができます。