肝臓の健康のためには1にもタンパク質、2にもタンパク質

私たちの体に欠かせない栄養素には、タンパク質、炭水化物(糖質)、脂肪、ビタミン、ミネラルなどがあります。中でも肝臓を強くするのにいちばんたいせつな栄養素はなんといってもタンパク質です。なぜタンパク質がそんなにたいせつかというと、タンパク質は主に次のような重要な働きを持っているからです。

酵素をつくる材料になる

肝臓は、食べ物からとったいろいろな栄養素を体内で利用したり蓄えたりするために、用途に応じてつくりかえる働き(代謝) をしています。

また有害な物質を分解して無害な物質につくりかえる仕事(蟹噂) も行っています。ところが、このような肝臓の仕事を請け負っているのが、タンパク質からできている数多くの酵素であるため、タンパク質が十分にないと肝臓の機能を正常に保つことができないのです。

お酒を飲む人は、アルコールを分解するために多くの酵素が必要ですから、その分よけいにタンパク質を補給しなければなりノません。

肝細胞の修復に必要

アルコールを多量に飲むと、肝臓の細胞が壊されます。肝臓は、細胞が壊されてもすぐに細胞がふえて元に戻るという不思議な臓器ですが、細胞自体はタンパク質が主材料となって構成されているため、肝細胞の破壊と修復を繰り返している人は、タンパク質がたくさん必要です。

かつては、肝臓病になったら低脂肪、低タンパクの食事にしなければならないといわれていた時期もありました。しかし、タンパク質には以上のような役割があることがわかり、いまでは肝臓障害で肝細胞が壊されている人の治療には高タンパクの食事が与えられるようになっています。

ところで、食べ物からとったタンパク質は、そのままの形で体内で利用されるわけではありません。タンパク質は腸から吸収されるときにアミノ酸という物質に分解され、肝臓でアルブミンをはじめとするさまざまなタンパク質に組みかえられます。というのも、肉や魚のタンパク質はそれぞれ特有のアミノ酸の組み合わせから成り立っていますが、私たちは人間ですから独自のアミノ酸の組み合わせによって人間特有のタンパク質がつくられるのです。

さて、このタンパク質は、人体のほとんどの器官に使われ、肝臓自体もタンパク質からできています。しかし、肝臓の機能が低下するとタンパク質をつくることができず、体の中でそれが減少してしまいます。そこで肝臓の働きを強くして、タンパク質を積極的につくらせるよう栄養を補給してやらなければなりません。

では、どのような食品を食べて栄養を補給すれぼいいのでしょうか。肝臓がアミノ酸からタンパク質をつくるとき、すべての種類のアミノ酸が欠かせません。一部のアミノ酸は体の中で合成できますが、ほかに体内では合成できず、どうしても食べ物からとらなければならないアミノ酸もあります。これを必須アミノ酸といい、8種類あります。

つまり、人間に必要なタンパク質を得るためには、これらの必須アミノ酸を必要十分に含んだタンパク質をとることが望まれます。必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食品かどうか、それをはかる尺度にアミノ酸価があります。最も産想的なのは、アミノ酸価が畑かそれに近い価を示すもので、畑に該当する食品は卵や牛乳、肉類などです。

体重60kgの男性で1日74.4gのタンパク質が必要としていますが、肝臓を強化するためには下の表に示したタンパク質量を目標としてください。そしてそのうち5割くらいは、動物性タンパク質にするのが理想的です。

年齢体重(kg)エネルギー(kcal/日)タンパク質(g/日)動物タンパク質(g/日)
30~39歳5520809455
60228010260
65248011165
40~49歳5520008550
6021609354
65236010159

50~59歳

5518807744
6020408448
6522009152
60歳~5016006335
5517606939
6019207542