大腸内は発酵しているか?腐敗してるか?
人は生きるために食べますが、食べたら必ず排便しなくては生きていけません。人問の体は上に食べ物が入る口、下に排泄器官である肛門があります。
内側の空洞には食道や胃、十二指腸、小腸、大腸があり、小腸で消化と吸収が行われ、大腸では腸内細菌が繁殖して便が作られています。消化と吸収、免疫を活性化させる小腸は免疫活性臓器といわれる大切な臓器です。 これに対して大腸は便をつくって溜めておくのが主な役割のため、あまり重要視されてきませんでした。
ところが最近、大腸は「あらゆる病気の発生源」であることが明らかになってきました。病気になるかならないかは、「腸年齢」が若いか老いているか、腸内細菌が発酵しているか、腐っているかで決まってくるのです。
人間の皮膚や口腔内などには多くの常在菌が住みつき、腸内にも500~1000種類の菌が住んでいて、その重さは1.5kgにもなります。 腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌があり割合は、よそ10% 、20% 、70% 。善玉菌は感染を防いでビタミンを産生し、消化吸収を助けるなどよい働きをしますが、悪玉菌は腸内を腐敗させて細菌毒素を作り出します。
日和見菌は、勢力の強いほうになびいていく主体性のない菌です。 腸内では毎日勢力争いが繰り広げられ、宿主が風邪をひいたり、仕事などでストレスが多いと便秘や下痢になると善玉菌が悪玉菌に変化したり、また、その逆も起こり、複雑に変化しています。 これまで腸内微生物研究者として8000人以上の便を採取し、腸内細菌を調べてきました。
研究が進むにつれてわかったのは、腸内細菌はひとりひとり違うということ、腸内腐敗によって作られた有害物質はあらゆる病気の原因となること、そして病気と菌との関係に規則性があるということでした。
便秘の腸内は腐っていて病気を作るもとになる!
腸内腐敗は、「腸年齢」の高齢化が原因です。「腸年齢」が若い人は善玉菌に勢いがあり、よい働きをしていますから、見た目は若く、体も健康ですが、悪玉菌が増えた腸は、便が溜まるほど腸内腐敗が進み、「腸年齢」が老化します。
そして悪玉菌が生み出す有害物質によって大腸は傷つき、大腸がんや潰瘍性大腸炎などが発症します。 さらに有害物質は腸壁から吸収されて血液に乗り、全身に運ばれます。頭痛や吹き出物、がんや肥満、糖尿病などの生活習慣病の原因になり、アレルギーや認知症、うつなどにも影響すると指摘する研究者もいます。 深刻なのが、大腸がんです。 20年前、私は1日1.5kgの肉を40日間食べる実験を自ら行い、過剰な肉食が悪玉菌を増加させることを突きとめました。 世界がん研究基金と米国がん研究所では、大腸がん発症リスクを確実に高めるのは、肉加工品の多量摂取、野菜不足、運動不足、アルコールの多飲としています。
「腸年齢」が若ければ、多くの病気を予防・改善できます。
腸年齢チェック
生活習慣チェック
- 運動不足だと思う
- ストレスでイライラする
- 肌の乾燥や吹き出物に悩む
- 寝付きが悪く、寝足りない
- 喫煙者である
- ・顔がすみがちで実年齢より老け顔ぎみ
うんちチェック
- トイレの時間はほとんど決まっていない
- ときどき下痢っぼくなる
- ウンチを出し切った感がない
- おならが臭い(と言われる)
- 硬いコロコロウンチが出る
- 最初にいきまないと排便できない
- ウンチが硬く、いきんでもなかなか出ない
- ウンチが水に沈む
- ウンチが臭い
- ウンチ黒っぽい
食生活チェック
- 野菜が不足していると思う
- おかずは肉が中心
- 朝はいつも忙しく、トイレの時間をとりにくい
- 食事の時間は決まっていない
- 朝食はとらないほうが多い
- 牛乳などの乳製品は苦手
- 週に4 回は外食してしまう
あなたの腸年齢
- 4個以下...「腸年齢」=実年齢以下 理想的な腸年齢です。今後もよりよいウンチをするために、食生活に気をつけ、ストレスをうまく解消して今の生活を維持してください。
- 5~9個...「腸年齢」=実年齢+10歳 油断すると腸内環境はすぐに悪化して、一気に老け込みます。これ以上老けず「腸年齢」が実年齢に近づくように生活を見直しましょう。
- 10~14個...「腸年齢」=実年齢+20歳 かなり腸内腐敗が進んでいます。このままでは将来、がんや糖尿病、認知症などの病気の発症率が高くなります。生活習慣の改善を急ぎましょう。
- 15個以上...「腸年齢」=実年齢+30歳以上 すでに生活習慣病の兆しを感じているか、発症している可能性も。すぐに運動と食事を見直して、よいウンチをするための努力をしてください!
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