闇雲にただひたすら噛むだけでなく効率よく噛む

味覚を楽しむにも、食物をよく噛まなければ、味覚というものはわかりません。噛むと唾液がたくさん出て、舌の味蕾が反応し、脳に伝わります。

ところが、やわらかくて濃い味だと、噛む前に味蕾が反応してしまいます。最近、強い味の食品が好まれる傾向にありますが、これでは食物本来の微妙で繊細な昧、食感、を発しむことを放棄しているようなものです。

同時に、噛むことの多くの効用も捨てているのです。一般に噛みごたえのある食物のほうが、噛むことによる脳への人力情報が多く、脳を活性化させます。こういった噛むことの効果を最大限に得るためには、噛みごたえのある食材をじょうずに使うのがコツです。

繊維の多い切り干し大根などの乾物類、レンコンなどの根菜類、弾力性があって噛み切りにくい、きのこやタコなどを選べば、噛む回数は自然に増えます。

食卓にのぼるすべての献立を「噛みごたえ度」の高い料理にしようということではありません。いろいろな噛みごたえの食物をうまく取り混ぜて、食感も楽しめるメニューを工夫してみましょう。

豆腐料理でも冷ややっこだけでなく、高野豆腐、ゆば、油揚げ、がんもどきなど、日本にはすばらしい食文化が伝承されています。卵料理でも季節感あふれる多彩な具があふれる茶わん蒸しも意外に歯ごたえを満喫させてくれます。魚料理でも噛みごたえは魚の種類と調理・加工法によって、大きな違いがあります。カレーなら、カツカレー、ウィンナカレー、伊勢エビカレーもあります。

いつもの献立の中に何品か、よく噛む料理を入れるだけで、噛む習慣を改善できます。1口30 回、1回の食事で1500回、噛むように心がけましょう。これが、丈夫な歯と健康な体づくりの第一歩です。そして現代人特有の病、生活習慣病を減らすよいチャンスでもあります。