噛むことで得られる8つの効果

私たちは、病気などで食事ができないほど衰弱すれば、点滴を受けたり、流動食をとったりして命を永らえることができます。

病気でなくても、ちょっと疲れると栄養補給ドリンクやサプリメントで簡単にすませてしまうことも日常的になっています。ふだん食べている食事を振り返ってみても、やわらかい食品が増え、よく噛まなくても飲み込め、栄養も吸収されやすいようになっています。つまり、「噛む1食べる」という行為を省略しても生き延びることができるのです。

しかし、これでは栄養豊富なやわらかい食物によって生かされているにすぎません。獲物を獲る動物よりも、立ち尽くして栄養分を吸収する植物に近いでしょう。

最新の研究では、食物を食べる「噛む」という行為は、私たちが考えている以上に健康生活に欠かせない大切な行為であることが明らかになってきました。歯、舌、ほお、のど、そしてそれらの周囲の筋肉などの岨囁に関連する器官と、それを制御する中枢神経とは密接に関係しています。したがって、「噛む」という行為は、単に食物を胃に流し込むだけでなく、その刺激が全身のいろいろな機能を活性化するのに重要な役割を果たしているのです。

では、具体的に、「噛む」ことによってどのような効果があるのでしょうか。その効果をわかりやすく8つの項目にまとめた標語をご紹介しましょう。それは「ひみこのはがいーぜ(卑弥呼の歯がいーぜ)」です。この標語は「噛む」ということの重要性を再確認し、健康な生活を送ってもらえるように、考えられたものです。

「ひ」
肥満を防止(満腹中枢に働きかけて食べすぎを防ぐ)
「み」
味覚の発達(おいしさがよくわかるようになる)
「こ」
言葉の発音がはつきり(はつきりとした言葉になる)
「の」
脳の発達(噛むことは脳を活性化する)
「は」
歯の病気予防(虫歯や歯周病になりにくくなる)
「が」
がん予防(唾液の効用によってがんを予防できる)
「い」
胃腸の働きを促進(胃腸の負担を軽減する)
「ぜ」
全身の体力向上と全力投球(力いっぱい仕事や勉強ができる)

これが8つの効果ですが、「噛む」効果はここに掲げたものだけにとどまりません。認知症(痴呆症) 防止や視力改善などの効果もあります。

また、よく噛むことによって分泌される唾液にもいろいろなすばらしい効果があります。このように噛むことは、人間の体にとって、一般に考えられているよりはるかに大切かつ重要な意味を持っているのです。