この秋は日本株にとって押し上げイベントが増えそうな雰囲気です。企業収益面では、4~6月期決算が事前予想を上回る良好な着地となりました。東証1部銘柄(金融・上場子会社を除く) で3月決算に限らず四半期決算日が4~6月に含まれる全銘柄を対象にすると、経常利益が前年比7.4%増益となりました。
市場では消費増税に伴う落ち込みから4~6月期が減益、7~9月期以降回復との見方でしたが、4~6月期が想定以上に好調で、景気持ち直しなどを考慮すると適期見通しが大幅に上方修正されるはずです。
円レートは今年1月末からほぼ1ドル102円を挟んで膠着相場が続きましたが9月現在、107円まで、円安方向に動きました。
金融政策面では、9月16~17日の米連邦公開市場委員会 3ヶ月に1度の米国経済見通しが発表されます。米国の求人数は今年4~6月に急増し、6月の求人率(求人数を「雇用者数+求人数」で割ったもの) は3.3 % に上昇しました。
インフレ率の下振れリスクは低減し、賃金は労働需給の引き締まりを背景に回復が見込まれます。雇用情勢の厳しさを強調してきたイエレン米連邦準備制度理事会(FRB) 議長も、雇用改善を追認した形となりました。
FRBが10月末で量的歳和を停止する一方で、日銀は15年1月以降も現行ペースで量的嬢和を継続する可能性が高いでしょう。
1月以降、日銀のバランスシートは相対的に拡張度合いを増し、ドル高・円安を導きやすくなろう。国内政治面では、秋の臨時国会、沖縄県知事選(H月16日)、12月には安倍首相が15年10月からの消費増税の最終判断を行うほか、法人実効税率の引き下げに関する具体的プランの公表などが控えています。さらに15年4月の統一地方選挙、9月の自民党総裁選が一大イベントになる。自民党は今年7月の滋賀県知事選で敗退、11月の沖縄県知事選も不利が伝えられています。今後1年間は「地方景気の底上げ」が政治課題になりそうです。
安倍政権は内閣支持率を上げるためにも、秋の臨時国会では地方を含めた景気底上げ、株高政策を強化するはずです。。景気次第では経済対策の策定に動きそうな雰囲気です。
今、日本には、現在1000兆円近い借金がります。金利だけでも相当な金額になるし、家庭レベルで見ると1900万円の借金を背負っていることになります。あまりの金額に感覚もわからなくなってしまう金額です。誰が返済するのでしょうか?国民ひとりひとりです。
ある時点でこの借金が減少に転じているのであればこうして楽観的にしていてもいいのかもしれませんが債務超過は拡大するばかりです。
インフレにより債務超過を帳消しにするしか道はないのでは?という声も聞かれます。
第二次世界大戦後のハイパーインフレと日本の現在を重ねるといずれも大変な結末しか想像できません。ではこうした莫大な債務超過を圧縮させることができた国はないのでしょうか?
19世紀~20世紀のイギリスです。イギリスは18~19世紀はじめにかけて第一世界大戦~第二次世界大戦後までの時期に2回経験しています。19世紀の政府債務は7年戦争、独立戦争、そしてナポレオン戦争まで続く戦費調達の歴史が示すとおり、1820年代までGDPの2.5倍まで拡大しました。
一方、20世紀の政府債務は第一次世界大戦と第二次世界大戦の負担が蓄積し、1940年代半ばにGDPの2.5倍弱までに再拡大したのです。
イギリスは幸運にも累積した政府債務を3回とも解消できましたがその解消方法です。
政府債は、コンソル(永久債)が受益者に当初決められた期間のみ年金として支払う契約です。有期年金化することでその償還とともにゆるやかに減少し、対GDP債務比率の分子部分が減少しました。
GDPは、産業革命の成果が実質経済成長率を押し上げたため、分母部分であるGDPが安定的に拡大したこも要因のひとつとなりました。
19世紀は、経済成長の恩恵を受け、家庭所得が増加する中、物価は安定していたため庶民の生活は苦しくなりませんでした。
1970年代などは所得ののびが急激なインフレについていけずに生活は苦しくなりばかりでした。
不満の声は爆発し、これがサッチャー首相を生むもととなったことは間違いありません。
20世紀のイギリスは「大きな政府」の後にすぐに「小さな政府」がはじまったわけではなくインフレをきっかけにつらい時期を経験して小さな政府に移行したのです。
今の日本はどうでしょう?
日本銀行の量的緩和は庶民の期待を回復させつつ政府債務問題をなんとややりくりするための政策のひとつであるのです。
期待感を経済成長につなげて19世紀のイギリスのようにすすむか、それとも上昇するインフレ率をもって債務比率を引き下げ20世紀のイギリスの道をすすむのか?
日本はまさに分岐点に立たされている…といって間違いないでしょう。
日本は、円安方向に為替が動くとウェルカムな風潮があり、輸出企業にメリットがあることをさかんに報道します。日本は輸出企業だけでなく輸入企業もあり、エネルギー関連はほとんどが輸入であることは言うまでもありません。
インフレはどんなところではじまっているのでしょうか?たとえばマンション。販売時にはユーザーに売りやすいように修繕費を少なめに設定するケースが目立ちます。総額が増えてしまうので削るところは修繕費です。
ところが資材の高騰や人件費の高騰で修繕に着手できないマンションが増えているというのです。また、ここに来て消費税の増税です。
原油が1バレル150ドル近くまで上昇しましたが、物価全体を急上昇させた08年度とは異なります。これは円安に伴う物価上昇の影響といえるでしょう。
原油高はガソリンや電気料金の上昇に直接ひびきます。また、輸入食材を中心に食料品の値上がりがこれに追い打ちをかけるかっこうとなっています。
家計では、実質支出が4~7月まで前月比横ばいの予想から外れマイナス5.9%となっています。
電気料金や原油価格の上昇は大手の企業よりも中小零細企業のほうが打撃が大きく影響はかなりのものになります。年間の生産コストが2~3割もあがる企業もあるほどです。
春以降、1ドル=102円前後で膠着状態だったドル・円相場が8月末から円安方向に舵をきりはじめています。9月には105~107円をつけています。米国の利上げが大きく影響しています。円を運用するよりドルを運用するほうが利益がでるためです。
FRBが10月に量的金融緩和を終了させることが市場関係者の規定路線となり関心は利上げ時期に移っています。雇用統計も予想以上の改善を発揮し、インフレ率が上昇してくれば、早期利上げ→ドル金利上昇→ドル高・円安というイメージが確定してしまいます。
国内でもGPIFの運用見直しによって外債投資のウェート上昇→円売り・外貨買いの円安をイメージされてしまいます。
円安になれば輸出企業には言うことない!と考えがちですが、自動車や機械などの輸出量は伸びず、生産拠点を海外に移した製造業の国内設備投資も盛り上がりません。
ニュースでは「円安は株高や輸出企業の収益改善から個人消費を押し上げる」と言われていますが、日本の製造業の雇用はピークの1600人から現在は1000万人にまで減少しています。
実質賃金が上がらない状況で、灯油、ガソリン、食料品、スマホ、輸入電機製品に至るまで消費者の購入価格を押し上げてしまいます。
これは、円安デメリットの方が大きい中小零細企業や庶民の認識とかけ離れているのです。
安倍晋三首相は2014年9月内閣改造を実施。今回の目玉はどういったところにあるのでしょうか?最も重要といわれる経済関連の主要閣僚では麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相がそのまま継続となりました。
経済産業相に小渕優子氏というサプライズは国民も驚いた人事でした。全体的なイメージではやはり「アベノミクス」を引き継いだ布陣となりました。
この人事が事前報道される経緯の中で株高・円安にふれたのは塩崎氏の厚生労働相が大きく影響しました。塩崎氏は株式などのリスク性投資での運用比率引き上げを盛り込んだ年金積立金管理運用独立行政法人改革に意欲を示しています。
経済運営においては消費税率の10%への引き上げ判断という難題を抱えているのは国民も周知のとおりです。
現段階では、15年10月の引き上げは妥当と判断している市場関係者は多くいます。
今年の7~9月で増税の影響がそれほど感じられなければ増税に移行するはずです。具体的には7~9月期の実質成長率が前期プラス0.5%以上で10~12月もプラスが見込まれることが具体的な数値基準となるでしょう
成長率だけでなく株価についても同様で日経平均が最低でも昨年末につけた16291円を超えるのが必須。
この日経平均が年末に向けて17000円程度で推移すると予想する市場関係者のとおりになれば再増税もやや雲行きがあやしくなるでしょう。
東京オリンピックに向けて好景気、インフレ、賃金の上昇…を描いている政府にしてみればまだまだ不安材料はたくさん抱えているということになります。
もちろん、現段階で10%の消費税増税は不可能だという意見も多数あります。
景気を下支えしているのは公共投資の役割がかなり大きいわけですが、今は、この公共投資がほとんどありません。また、16年に控えている国民選挙への影響も大。12月には衆院議員が任期満了を迎えます。再増税で景気が腰折れとなれば当然、選挙にも大きな影響がでてきます。
再増税は16年まで延期される…という声も聞かれます。
増税すれば景気悪化で日銀の追加緩和への期待が高まるが、かりに見送りとなってしまえば緩和気待は後退、円安を予想していた海外短期投資家が円売りポジションを手じまい、思わぬ円高になるリスクも否定できない。