健康体なら過剰な減塩も不健康体になるかもしれない

現代病といわれている生活習慣病の代表である高血圧でまず、取り組むのが食習慣の改善です。そして「減塩」です。こちらによれば醤油はひとかけで0.5gだそうですからこれを減塩にかえて半分かけにすればだいぶ減塩ができそうです。このように高血圧の人が減塩を行うのは当然ですが、最近の極端な「減塩運動」には首をかしげる専門家もいます。

たしかに、日本人の主要死因の2番目の心臓疾患、3番目の脳血管疾患などは高血圧が大きくかかわっていることは変えようのない事実です。しかし、その高血圧の原因が、塩のみにあるかのように考える最近の傾向を見ると、疑問をもたざるをえないのです。

デパートの食品売り場を見ても、「減塩醤油」「減塩味噌」「減塩漬物」「減塩ベビーフード」などが、ところ狭しと並べられています。塩さえ減らせば、すべての病気がガ解決するといわんばかりの風潮にいたっては、危険でさえあるといわざるをえません。

そもそも、高血圧と塩の関係がこれほど話題になったのは、昭和52年に厚生省が「日本人の食塩の摂取量は1日に1グラム以内が望ましい」という発表をしてからでした。また、秋田県は脳卒中による死因がきわめて多い県でしたが、昭和35年ごろから始まった減塩運動によって、高血圧が減り、脳卒中による死因が激減したことにより、減塩運動の有効性が裏付けられたことも大きな意味があったと思います。

それ以来、塩は目の敵にされ、塩そのものだけではなく、味噌や醤油、漬物などもとばっちりを受けることになってきたわけです。しかし、ここで考えなければならないことは、劇的な効果をあげた秋田県の場合、1日平均で30~40グラムもとっていたということです。これは明らかに多すぎると思います。

個人差はあるものの、現在の日本人の平均摂取量は約11.5グラムにすぎないのです(平成15年「国民栄養調査」)30~40グラムという摂取量が減ったのですから、効果があったとしても不思議ではありません。つまり、1日に30~40グラムも塩をとっていた人たちにとって、「減塩運動」は効果があったということであり、現在の私たちが減塩をすれば高血圧になりにくいというわけではありません。

むしろ、最近では、塩の影響を受けやすい「食塩感受性高血圧」と、あまり減塩の必要がない「食塩非感受性高血圧」がある、という考え方が主流をしめるようになっています。たしかに、高血圧の一部の人たちには減塩が有効かもしれませんが、すべての高血圧の患者さんに有効だということではないのです。

ましてや、健康な人が減塩をすることによって高血圧の予防になるというものではないのです。むやみに減塩をすることによって、食欲不振になったり、脱力感、疲労感などの弊害があることを忘れてはなりません。塩は大切なミネラルなのです。特に暑い夏に塩を控えすぎて熱中症になれば今度は、命の危険にもさらされてしまうのです。

最近は、梅干しは体に多いからと無煙の梅干しもあるようです。梅には降圧効果もあるようです。