皮膚を保護し、水分の蒸発を防ぐ大切な働きを担っている

現荏、日本には、非常に抗菌グッズがあふれています。テレビでは、抗菌、除菌、消臭をうたう商品のコマーシャルが頻繁に流れ、実際に私たちが日常的に手にしている商品は、ボールペンから下着に至るまで、抗菌グッズだらけといっていいでしょう。

日本にいる限り、抗菌グッズにふれないで生活することはできない状況になっているといってもいいぐらいです。日本は、まさに抗菌社会です。多くのかたは、抗菌グッズで菌を寄せつけないようにしていれば、健康が保たれやすいと考えていると思いますが、決してそんなことはありません。

むしろ抗菌社会そのものが、新たな病気を生み出しているのです。日本人は、「洗えばきれいになる」と思って、せっせと体を洗います。しかし、事態は全く逆で、「洗いすぎると汚くなる」のです。

これは、どういうことでしょうか。私たちの体は、いろいろな微生物で守られています。皮膚にrは、表皮ブドウ球菌などの10種類以上の常在菌が存荏し、私たちの皮膚を保護しているのです。。鼻やほお、あごには、200万以上もの菌がひしめいています。きれいな肌というのは、この皮膚の常在菌によって保たれているといえるでしょう。

常在菌は、皮膚の脂肪をえさにして、脂肪酸という酸性の膜をつくって皮膚を守ります。この膜があるからこそ、外からのアレルゲン(アレルギー症状を引き起こす原因となるもの)や、悪い菌などが皮膚に侵入するのを、防いでくれているわけです。

同時に、皮膚内部の水分が蒸発しないようにしています。肌を洗いすぎると、皮膚の常在菌を洗い流してしまいます。すると、皮膚の角質層がばらばらになり、アレルゲンが侵入し、アトピー性皮膚炎になりやすくなるばかりか、皮膚の中の水分が蒸発し、乾燥肌にもなってしまうのです。

ある実験によると、石けんで体を洗うと、皮膚表面の常在菌は、90%が洗い流されていました。若い人なら、12時間程度で常在菌の数が正常に戻りますが、中高年以降になると、常在菌の数が正常に戻るのには、20時間程度必要でした。

つまり、若い人の場合、1日1回までなら、ふろで石けんを使って体を洗っても大丈夫ですが、2回以上洗うと、常荏菌の数が減少し、皮膚の角質がばらばらになったり、肌が乾燥したりと、かえって悪影響が起こってきます。

ましてや中高年の場合、石けんで体を洗うのは、2日に1回くらいにとどめたほうが、皮膚のためにいいのです。60歳を過ぎたら、体を石けんで洗うのは2~3日に1度くらいで十分です。

洗髪は2日に1回、またはお湯だけにする

同様に髪の毛についても当てはまります。頭皮の皮脂腺からは、皮脂が分泌されています。皮脂は、頭皮の常在菌の働きにより、汗と混じることで乳液状になり、頭皮や髪の毛に広がるのです。

そして、それが、ほかの皮膚の場合と同様に酸性の皮膜を作ることで、頭皮を守っています。この皮脂がなくなれば、頭皮も毛髪も、カサカサと乾燥した状態になってしまうというわけです。

頭皮には、体の中で最も多く皮脂が存在します。このため頭皮は、体のほかの部位の皮膚よ仇りも確かに丈夫なのですが、それでも頭髪を洗いすぎるのはよくありません。洗いすぎれば、頭皮の皮脂を奪うことになり、それが髪や頭皮に対しても悪い影響を及ぼします。

皮脂が不足すれば、毛根にもよくありません。この意味で、石けんで体を洗いすぎると皮膚の健康のためにならないように、シャンプーで髪を洗いすぎることは、頭髪の健康を守るうえでも、いい結果をもたらさない可能性が高いのです。

逆にいえば、ちょっとくらい不潔なほうが、髪の健康のためにはいいといえるでしょう。例えば、作家の五木寛之さんは、10日に1回くらいしか頭を洗わないということですが、あのように髪が豊かで、フサフサとしています。タレントのタモリさんも、入浴は毎日するものの、石けんで体を洗わないと公言しているそうで、やはり、髪が黒々としています。データを取って調べたわけではありませんから、ハゲと洗髪回数の間にどれだけ密接な関連があるのかわかりませんが、経験上、やはり、シャンプーのしすぎは、髪にとってよくないといえそうです。

では、どれくらいのペースで髪を洗えばよいでしょうか。10日に1回というのは、なかなか難しいでしょう。ですから、できれば、2日に1回程度にするのがよいでしょう。髪は毎日洗わないと我慢できない、というかたは、毎回使用するシャンプーの量をできるだけ少なめにしましょう。また、お湯だけで洗うのもいい方法です。

いずれにしても、何事もいきすぎはよくありません。抗菌グッズに囲まれた私たちは、抗生物質や殺菌剤の乱用により、ウィルスや細菌などの微生物とつきあう機会が、極端にへってしまいました。その結果、日本人の免疫力は大幅に下がってしまい、多くのかたが、さまざまなアレルギー性疾患に、悩まされるようになってしまったのです。免疫力をアップさせ、健康維持を図るため、私たちは、今の抗菌社会のあり方を、抜本的に考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

お湯洗髪についてはこちら。

貧困層ほど太ってしまうと言う現実

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

アメリカに「南部糖尿病ベルト地帯」と呼ばれるエリアがあります。南部を中心とした15州が該当するのですが、この一帯はかねてより肥満者の割合がとくに高く、それに関連して糖尿病や高血圧症の人も多い傾向にあります。

そして、このエリアは貧困層が集中しているのです。南北戦争で解放された黒人奴隷の子孫が多く住む南部諸州は全米平均に比べ、貧しい階層が多いのです。

なぜ貧困層ほど太るかというと、糖質は肉や魚といった高脂質・高たんばく質の食材よりも安く手に入るからです。その最も顕著な例が、清涼飲料水・フライドポテト・ハンバーガーをメインメニューとするファストフードといえるでしょう。

貧困層ほど太るというのはアメリカだけの話ではなく、OECD 加盟諸国で世界的に共通していることです。もちろん、日本も含まれます。日本の食生活がアメリカ型になっているのは今さら指摘するまでもないことです。

糖質制限食

ウナギが夏ばてに効くのは

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

夏パテ解消の特効薬として、土用の丑の日にウナギが食べられるようになったのは江戸時代からで、最初に「土用の丑の日はうなぎ」と言い出したのは平賀源内といわれています。

平賀源内といえば、エレキテルや寒暖計を作ったことで知られている科学者ですので、「土用の丑の日はうなぎ」にも科学的な根拠がありそうですが、実はそうではありません。

平賀源内がそう言ったのは、うなぎ屋さんに「宣伝文句を考えてくれ」と頼まれたからで、栄養学的な裏付けがあるわけではありません。一般に夏パテに効くとされているのは新陳代謝を促し、発汗作用、利尿作用のあるものですが、ウナギにはそのような効果はありません。

しかし、ウナギがまったく夏パテに効かないかというと、そんなことはありません。栄養学的にウナギをみると、蚤自質、ビタミン、ミネラルが豊富です。

特に肝臓にはビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンA には消化器、呼吸器、目の粘膜を強化する効果があり、胃腸の病気や夜盲症にもよく効きます。

ビタミンA はニンジンなどにも含まれていますが、ウナギに含まれているビタミンA のほうが吸収がいいことがわかっています。また、ウナギの表面はヌルヌルしていますが、これはムコプロティンという蛋白質で、胃腸の粘膜を保護し、消化吸収を助ける働きがあります。

このようにウナギには消化を助ける成分が含まれています。夏パテの最大の原因は食欲不振です。消化機能の働きをよくするウナギは、夏にもってこいの食材といえます。

ウナギを食べたからといって、すぐに疲労が回復するわけではありませんが、夏パテにならない身体づくりに役立つのはたしかです。ちなみに、ウナギというと日本の伝統的な食材と思われていますが、これは誤解でかばやす。中国でもヨーロッパでも苦からウナギは食べられています。ただし、蒲焼きにして食べるのは、日本だけのようです。

ウナギの豊富なビタミンで疲労回復、体力増強

「水分不足による血液のドロドロを防ぐために重要なことは、2点あります。夜寝る前に水を摂ること。そして、入浴前後に水を摂ることです。「本当は、寝ている間に少しずつ飲むというのが一番いいのですが、そうはいかないので、就寝前に1杯の水を飲むことを生活習慣にしてほしいと思います。

特に40歳以上の人にとっては脳梗塞や心筋梗塞を予防する、非常に重要で効果的な」万法のひとつと言えるでしょう。

40歳代以上の肥満体なら寝る前にコップ2杯の活泉水を飲む

また、水を飲むことは、入浴中・入浴後の梗塞の発作や立ちくらみを予防するのにも効果的です。「お風呂に入る前に、コップ1杯の水を飲むようにします。入浴中に汗をかくのですから、当然に出た後も、また1杯飲むようにします。

入浴には血液をドロドロにする要素がたくさん隠れています。お湯に入って汗をかくと、体内の水分が失われて脱水症状に陥りやすくなります。体内の水分が少なくなって血液が濃くなると、血栓ができやすくなります。その上、熱いお湯はプラスミノゲンという血栓を溶かす物質を減らしてしまいます。

特に冬場はただでさえ血管が収縮して血圧が高くなるところに、これだけの悪条件が重ってしまうのです。また、入浴には、発汗作用と同時に利尿作用も働きます。浴槽に座った姿勢で肩までつかると、下半身の血液が心臓のほうへ押し上げられます。

右心房には血液の量を調整するセンサーがあるのだが、入浴によって通常時より右心房に血液が多く戻ってくると、右心房は血液が余分にあると判断し、ホルモンを出して腎臓に働きかけます。腎臓はそれを受けて、血液の量を少しでも減らそうと、血管内の水分を濾し取って尿として膀胱へ押し出すのです。そのくり返しだけで、コップ1~2杯の水分が失われます。

しかも、この状態でお風呂から立ち上がると、重力の関係で血液が下肢へと下がり、血液が乏しくなってしまいます。その結果、頭のほうに血液が少なくなってしまい、脳貧血を起こして、いわゆる立ちくらみの状態になるのです。脳貧血を起した場合の処置は、まず横にして頭に血液がいきわたるようにし、水を十分に飲ませるということが大切です。

こういった水分補給に適するのはどのような飲料なのだろうか。飲みすぎるとよくないのはスポーツ飲料です。糖分・塩分が含まれているため、特に中高年以上の人がわざわざ過剰に摂る必要はありません。ビールもまた利尿作用があるので、水分の補給にはなりません。と、単に水分が多いということだけではダメだと指摘します。

最も適しているのはただの水です。衛生的でさえあればどんな水でもかまいません。水は飲みすぎて悪いということはありませんので、多めに摂るようにしてほしいと思います。体が冷えやすい人は、常温、特に冷えを感じなければ、冷水でもいいでしょう。

グレープフルーツはセクションで

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

グレープフルーツをジュースにして飲むのはもったいない。この果物の重要な成分は、果肉を包んでいる袋の組織にふくまれているので、一番いいのはミカンのようにむいて食べることですが、それがいやな人でも、せめてセクションにして食べるのがいいでしょう。

セクションというのは、オレンジやグレープフルーツをむいて1袋ずつにして、その袋、つまり薄皮をとった状態にすることです。アメリカのホテルは朝食のメニューに、グレープフルーツ・セクションを加えているところが多くなっていますが、ジュースにくらべるとはるかに栄養的にすぐれています。

これならば飲むのではなく噛んで食べることになります。それで唾液が加わるために胃にはとてもいいでしょう。薄皮をとっていても、ジュースにくらべると組織をかなりとり込むことになります。

ホテルと違って家庭では、神経質に薄皮をむく必要はないので、むきにくいところは残せばいいでしょう。そうすれば薄皮の組織もとれるようになります。それにまた、少々薄皮が残っていてもグレープフルーツ・セクションは実においしいものです。

グレープフルーツはフロリダが主産地だけに、この果物についてはフロリダ大学ですすんだ研究が行われています。フロリダ大教授のジェイムズ・セルダ博士らは、血中コレステロール値の高い人たちに、グレープフルーツ・ペクチンを4ヶ月間、1日に15グラム与えたところ、平均8% の低下をみました。

ペクチンというのは食物繊維の一種で、果物に多くふくまれています。ペクチンにもいろいろあるが、グレープフルーツのペクチンを与えたわけです。グレープフルーツ・ペクチンを与えられた人の3分の1は血中コレステロール値が、一挙に10% から19% 下がりまいsた。

また半数の人は、善玉のHDLコレステロールと総コレステロールの比率が改善されました。果物の成分のなかには身体のなかをきれいにしてくれるもの、汚れをとり去ってくれるものが多いのですが、セルダ博士はグレープフルーツも汚れをとってくれるようだといっています。。

彼の説では、グレープフルーツにふくまれる高濃度のガラクトウロン酸が特異なかたちでLDLコレステロールと相互作用しあって、血管壁に沈着して動脈硬化を進行させているLDLコレステロールを溶かし、血管壁からはがしてとり除くというのです。

つまり、グレープフルーツは血管にこわばりついた汚れを取り除いてきれいにする働きをするわけえす。それは動脈硬化の進行を抑える働きであるし、ある場合には逆転させる働きでもある。豚に高コレステロール食とグレープフルーツ・ペクチンを同時に与えた実験では、対照群に比して顕著に動脈硬化が抑えられました。

ところでグレープフルーツ・ペクチンの15グラムというのはどのくらいの量なのかというと、ある分析ではグレープフルーツ2個分に当たるのですが、他の分析では2血個分ということになっています。

それについてセルダ博士はこういっている。1分析結果には大きなばらつきがありますが、1日に2個、グレープフルーツを食べていればよいと思います。ペクチンだけをとるよりもグレープフルーツそのものを食べたほうがビタミンCその他の栄養素が一緒にとれるので、より大きな効果が望めますが、ジュースにして飲んだのでは効果はないのだそうです。ペクチンがほとんど入っていないからです。

ビタミンCが豊富なグレープフルーツで美肌をつくるhttps://www.hood-memo.info/grapefruit/

理想的なステーキの焼き方

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

臨床栄養学に関する著書を多く出しているニューヨークの医師は、肉食をするうえの注意点として、つぎの2つをあげています。世界中の研究者による多数の報告と、医博自身の多年にわたる臨床結果からみちびき出されたものになります。

  1. 肉は新鮮で、古くなっておらず、保存料が加えられていないこと。スモークされていないこと。硝酸塩が添加されていないこと。
  2. 新鮮な肉自体には害がなく、害は肉および脂肪が酸化することで生まれる。そして、肉と脂肪が酸化するのは、1つは古くなること(空気にさらされること)、いまは、焦げ色がつくまで焼くことに空気にさらされていた表面の部分の空気にさらされていた表面の部分は食べないこと

薄切りの肉はいうなれば表面しかないのだから、この原則によれば食べるところがなくなるわけです。だから厚切りの肉をすすめているのです。

スモークと保存料、硝酸塩の添加を避けようと思ったら、加工肉はほとんど食べられないことになります。結局は、すすめるのは厚切りのステーキなのです。

それも焦げ色がつくまで焼いてはいけないのだから、調理法が問題になる。表面の部分の脂肪は加熱しなくてもすでに酸化しているのだから、これを高温で焼いた場はなは合には甚だしく酸化することになります。

その部分は切りとって食べないようにすべきだが、フライにすると切りとりようがないのです。それに揚げる油自体も酸化しているおそれが十分にある。というわけで、医博が最も避けるべきだとしているのは、フライです。

よい調理法の1つは、ボイルつまり沸点を維持しながら煮ることです。この場合は中心部がピンク色をしているところで火を止める(豚だけはもっとよく煮る)。その状態にはあっというまになるので、実にかんたんで早いのです。表面の酸化した脂肪もアクをすくうことで大部分がとれてしまっている。この方法ならば焼け焦げが出来るおそれはまったくありません。

適当なソースで食べればよいわけです。っぎによいのはオープンで焼くこと(ベイク)。これだと表面に焦げ色がつく以前に中心部まで火が通るのです。

つぎは直火焼きですが、これはどうしても焦げてしまいます。だからなるべく焦がさないようにして、焼け焦げの部分は切りとって食べないようにするしかありません。

しかし、ガスの直火焼きは絶対に避けるがんべきだでしょう。ガスの出す炭化水素が脂肪と結びつき癌の原因になるからです。直火焼きには炭を使うべきで、焼き肉屋は七輪に木炭という店がいいわけです。

なべ最後は鍋または鉄板による加熱だが、油をしくと高温になるのでフライについでNGです。鍋を使って肉を焼く場合は、油をしかずに肉をのせ、ふたをして極限の弱火で加熱します。

肉には塩をふらないこと。塩が肉汁を吸い出して味を落とすからです。切りとれる脂肪はとっておきます。また、肉は1時間前に冷蔵庫から出して中心部まで室温にしておくことです。肉の厚みは3センチが望ましいでしょう。

4分間ほどでじわっと肉汁が出てくるのでふたをとって裏返し、あと2~3分加熱して出来上がり。塩と黒こしょうをふって食べる。この調理法だと肉のうまみが最大限に引き出せて、しかも焦げないので、ボイルやベイクよりもむしろすぐれているるのです。

梅は解毒、みそは利尿に役立つ

青梅が出始めるころになりました。梅干しや梅酒作りを始める人もいるでしょう。ところで、もう1つ、青梅を簡単に漬けられる梅の食品があります。青梅をみそにつけて作る「梅みそ」です。さわやかな風味でおいしい保存食としても最高の逸品です。

この梅みそは、昔は薬代わりに使われていたほど、多くの薬効を持っています。漢方では食物の味を酸・苦・甘・辛・鹹 (さん・く・かん・しん・かん)の五味に分けて、人体との関係をとらえています。

梅の特徴である酸味は、肝の働きを助けてくれます。

梅は昔から「三毒(食べ物・水・血の毒) を絶つ」といわれており、食あたりや水あたりの予防薬として使われました。

この解毒をもたらすのが、梅の酸味のもとであるクエン酸です。クエン酸は、糖の代謝を活発にし、疲労物質の乳酸を燃焼させ、エネルギーに変える働きがあります。クエン酸が多くあれば、活発に糖は代謝されますが、不足すると糖が使われず、不要なものとして体にたまります。

一方、みその鹹味は、腎を助ける働きがあります。

腎には利尿作用があり、みそをとると老廃物がスムーズに排出されます。梅もみそも、日本が誇る伝統食で、それぞれに高い効能があります。その2つを合わせた梅みそは、解毒と利尿を併せ持つ、最高の毒出し食品なのです。梅みそを食べていれば、食中毒を起こしにくくなります。

解毒器官である肝臓の働きも高めてくれるので、脂肪肝の予防・改善にも役立ちます。

梅みその作り方はいろいろありますが、青梅とみそを重ねて漬ける梅みそが定番品です。保存もきくので、常備しておけば、いろいろな料理に活用できます。

梅干しで作る梅味噌も

作り方は、とても簡単です。広口瓶に青梅、みそ、氷砂糖を交互に重ねるだけです。それを3ヶ月間おくと、おいしくいただけます。作る際は、次の点に注意してください。

  • 容器はカビが生えないようにきれいに洗い、天日で乾かすか、アルコールで消毒しましょう。

青梅をみそに漬けると発酵するので、瓶いっぱいに詰めないで、容器の7分めくらいにしておきます。詰めたあとは、かき混ぜる必要はありません。3ヶ月おいた梅みそは、青梅から果汁が出るので、水っぽく感じられるかもしれません。私はそのまま使いますが、水っぽさが気になるようでしたら、鍋に移して、好みのかたさまで煮詰めるといいでしょう。

梅みそに使うみそで、気をつけたいのは塩分の量です。一般に白みそは塩分が少ないので甘く、赤みそは塩分が多いので塩辛くなります。同じ赤みそでも、八丁みそは塩分が少ないので、色は濃いですがマイルドな味に仕上がります。梅みそは発酵食品なので、みその塩分量にかかわらず、常温で保存できます。

こうして、出来上がった梅みそは、いろいろな料理に使えます。お勧めなのは、ヤマイモのせん切りの和え物です。ヤマイモは薬膳では脾臓、すい臓、、腎臓の薬です。そのヤマイモと和えれば、最高の健康食になります。

なお、漬けた青梅は水分が出てしまい、小さくなるので、そのまま食べてもおいしくありません。私は青魚を煮るときに、梅干しの代わりにこの青梅を入れます。梅を入れると魚の臭みが消えて、うまみが出るのです。ところで、青梅が手に入らない時期や、青梅の梅みそがなくなったときには、梅干しとみそを混ぜて作る梅みそもありますただ、梅干しとみそだけでは水分が少ないため、練りがかたくなるので、ハチミツを入れます。かたさが凄み、甘みが出て、食べやすくなります。私たちのDNAには、日本人が昔から食べてきた食品がインプットされています。ですから、梅やみそを使った伝統食は、だれでもおいしく感じます。おいしいということは体が喜んでいる証拠。そういう体が喜ぶ日本の味を、大事にしてください。

医薬品にもなっているものと同じような構造

健康の保持・増進に役立つといわれる「機能性」のある素材ベータとして、β-グルカンが今注目されています。グルカンは多糖類(糖が複数結合したもの) の一種で、動植物や微生物に広く含まれています。

グルカンにはα-グルカンとβ-グルカンの2種類があり、でんぷん、グリコーゲンなどはα-グルカンです。ヒトにはαグルカンを分解する酵素があり、摂取するとブドウ糖まで分解されて、エネルギーのもとになります。

一方、β-グルカンは分解酵素がないため、そのまま排泄されます。野菜に含まれるセルロースはβ-グルカンの一種で、食物繊維として働きます。

β-グルカンにはいろいろな種類がありますが、その中の、ある限られたβ-グルカンに、免疫力を高める効果やガンの増殖を抑制する効果を現すものがあります。

たとえば、現代人の弱った免疫力を高める米ぬか食品「バイオブラン」はβ-グルカンです。

私たちが古来より食べてきたシイタケ、マイタケなどのキノコ類や、漢方薬として利用してきた霊芝などはβ-グルカンを豊富に含みます。ただし、食品に含まれている量だけでは、免疫活性物質としての機能をじゅうぶんには発揮できないと考えられています。

β-グルカンの中には、効果が医薬学的に証明され、医薬品として認可されているものもあります。実際に、シイタケから抽出・精製されたレンチンは、再発胃ガンの治療に抗ガン剤とともに使われています。また、スエヒロタケからつくられるシゾフィランは、子宮ガンの放射線治療の際に同時に用いられています。

いろいろなβ-グルカンのうち、機能性が高いのは「β-1・3-1・6-グルカ」で、免疫を活性化する作用を示すことが以前から知られていました。なかでも、私たちが特に着日したばいちのが、米ぬかなどの培地に培養されたものです。

β-グルカン」は、医薬品となっているβ -グルカン、すなわちレンチナンやシゾフィランと同じような構造をしているのです。

免疫力の指標となるNK活性が上昇

ヒトにそれぞれ個性があるように、菌にもさまざまな機能特性があります。その点、β-1・3-1・6-グルカンをつくり出す菌株は、特性が際立っているといえるでしょう。黒酵母自体がこのグルカンを育て、菌体の外側につくり出すのです。

NK活性とは、ナチュラルキラー(NK) 細胞の働きを表します。NK細胞は、ガン細胞やウィルス感染細胞を死滅させる細胞で、免疫の強さの指標にもなっています。

高齢化が進み、ガン患者も増加している今日、高齢者の免疫力の維持・向上やガンの予防にも、β-グルカンは役立つことでしょう。また、放射線や抗ガン剤などの治療との併用も期待されます。さらに、寒く乾燥した冬に流行するインフルエンザやカゼの予防効果も期待できるでしょう。

禁煙外来を受診しよう

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

人の寿命は、喫煙を続けることで、およそ10年も短くなるといわれています。しかし禁煙をすれば、それが取り戻せることがわかっています。禁煙が成功しないという人は、禁煙外来がおすすめです。お医者さんと禁煙してみましょう。

喫煙は、寿命をおよそ10年縮める

喫煙率は、近年の健康志向や社会情勢によって年々低下してきてはいるものの、いまだ男性の32% 、女性の8%が喫煙を続けています。タバコには4000種類以上の化学物質が含まれており、この中には、発がん物質も60種類あるとされています。

タバコは多くの病気の危険因子といわれており、皆さんがよくご存じの肺がんはもちろんのこと、肺気腫、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など多くの病気を誘発します。

また、タバコを吸わない人でも煙によって受動喫煙する影響は大きく、たとえば夫が喫煙者であると、妻は非喫煙看であっても、肺がんになるリスクが2倍になるといわれています。喫煙は、ご家族や周りの人々の健康も害する危険性があるのです。さらにイギリスのある調査では、喫煙を続けることで寿命がおよそ10年間も短くなることがわかっています。

たとえば35歳の人が70歳まで生きている割合は、タバコを吸わない人であれば81%なのに対し、吸う人は58%と、23%も低くなっています。しかし、寿命は喫煙することで短くなりますが、禁煙すれば取り戻せることもわかっています。

頭では「タバコは悪い」とわかっていながらも、禁煙できない方が多いのではないでしょうか。禁煙が成功しないのは、意思が弱いからではなく、タバコに含まれるニコチンの持つ依存性が原因です。このため、自分の意思だけで禁煙に成功する人は、およそ10%と低い率になっています。

そこで、禁煙補助薬を使う病院での禁煙治療をおすすめします。禁煙補助薬には、飲み薬、: コチンパッチ、ニコチンガムがありますが、禁煙成功率が高いのは、飲み薬を使った禁煙治療です。禁煙外来でも、この治療をおこなっております。

禁煙補助剤を上手に活用して今年こそ禁煙! | 通販、薬局、ドラッグストアーで購入できる薬https://kusiri-guide.com/archives/57

この飲み薬は、脳内のニコチン受容体に働き、ニコチン切れの症状を軽くしながら、タバコを「まずい」と感じるようにするお薬です。3ヶ月間の禁煙治療で、70%以上の方が禁煙に成功しています。思い立ったら吉日、禁煙外来を受診してみましょう。一定の要件を満たせば、健康保険で禁煙治療が受けられます。

禁煙の効果が具体的に現れるまでにかかる期間は、人によって大きく違います。それは喫煙していた年数や本数によって個人差があるためです。寿命が延びるかどうかは先々になってみなければわかりませんが、禁煙から数日も経つと、誰もが身体的な変化を実感できるようになります。たとえば、のどがイガイガしなくなった、食事がおいしい、寝起きが良くなった、肌荒れがなくなった、などの変化です。ぜひタバコと決別して、健やかで新しい生活を始めましょう!

貧血か、低血圧か、女性の立ちくらみ

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

立ち上がったとたんに、目の前が真っ暗になり意識が遠のいて、とりあえず手近な物に必死でしがみつく...。ほとんどの若い女性はこのようないわゆる立ちくらみ症状を経験しているはずです。そのとき、たいていの人は「自分は貧血気味だから」「低血圧だから」と、どちらかの一言で片付けてしまっていませんか?

しかし、同意語のように使われている貧血と低血圧をきちんと区別している女性は、ごくごく少数です。両方とも、血液によって酸素や栄養が体にうまくまわらないことにより起こる症状なので、素人には間違いやすいこともあります。しかし、本当は低血圧と貧血では対処の仕方も異なります。

まず最初に両者の違いを明確にしておかなければいけません。

まず、貧血についてですが、一言でいえば、何らかの原因で体内への酸素を供給する能力が低下している状態です。。立ちくらみは俗に「脳貧血」ともいわれますが、これは正確には「起立性低血圧」とよばれるものがほとんどです。若い女性の2人に1人は貧血予備軍です。。これらの人のほとんどが鉄欠乏性貧血といわれるものです。鉄欠乏性貧血についてはこちら

つまり、赤血球中の鉄を主成分とするタンパク質のヘモグロビンは体内に酸素を供給する役目をもちますが、その量が基準値以下になり、酸素や栄養をうまく体内に運搬できないのです。女性の場合、毎月月経で出血することにより大量の鉄分を失うことになります。ただでさえ鉄分を失いやすい状態なのに、ダイエットをしたりして十分な鉄分を補給できないから、よけい貧血が加速されることになります。貧血がひどくなれば、肌や髪、爪と美容上にも重大な弊害となります。

しかし、鉄欠乏性貧血は鉄分を補給すれば解決します。ホウレン草や大豆などの植物性のものや、レバーなどの肉類をビタミンCとともにとるようにします。鉄製の調理器具を使うのもひとつの手です。

一方、低血圧とは文字通り最高血圧と最低血圧がともに低い状態です。血圧が低いために血行が悪く体に酸素と栄養が十分に行き渡らないのです。
そうすると症状として「だるい」「疲れやすい」などになります。

血圧が低いのは女性ホルモンの影響と考えられ、この症状も若い女性に多い症状です。ある程度は体質的なことであり、薬による治療を必要とするほどの病的症状の人は少ないので、バランスのとれた食事や運動などの生活習慣を改善することで治るケースが多いのです。つまり貧血は血液の成分そのものに問題があり、一方、低血圧は、血液の成分はともかく、血液を送りだす力が弱くて体中にうまく栄養分や酸素を運ぶことができない状態です。

貧血と低血圧が同時に起こる場合もあり、俗に「脳貧血」ともいわれることからこれら2つの症状は、混同されている場合が多いようです。だから、低血圧の人がいくらレバーを食べてもよくならないし、鉄欠乏性貧血の人が低血圧のための薬をのんでも改善しません。

いずれも「体がだるい」「疲れやすい」などの症状が起こるので、検査をしてどのような原因で起こっているのかをつきとめた上で治療しないといつまでたっても改善しません。貧血も低血圧も簡単な血液検査や、血圧測定によって判明するので難しくはありません。どちらの場合であっても、偏食をせずに、三食、バランスのよい食事をすることや、適度な運動をするという生活習慣を身につけることにより、症状の改善がみられることが多い。まず、自分の生活習慣を見直すことから始めるのがいいでしょう。